【借金にも時効がある】借金がなくなるかもしれない時効援用の方法

時効という言葉を聞いたことがある方はたくさんいると思いますが、実は借金にも時効があります。
ただし、一定期間が経過することで勝手に時効が成立するわけではありません。

事情があり、何年も借金を放置してしまった方は、正しい手続きをして、借金を整理しましょう。
また、何年も借金が残ったまま放置しているのに貸金業者から請求がこない方や、放置する前に何年も返済を続けていた場合は過払い金が発生していてお金がもどってくる可能性もあります。

過払い金が発生している可能性や、借金の時効について説明しますので、これを読んで心当たりのある方は司法書士や弁護士に相談してください。

貸金業者から督促がこなくなったら…もしかしたら過払い金が発生しているかもしれません

「自分には借金が残っているはずなのに、貸金業者から何年も請求がこない」ということはありませんか。

実は借金にも「時効」があるので、あなたの借金も時効が成立するかもしれません。
時効が成立すれば残っている金額に関係なく返済する義務はなくなります。

時効の成立には法律上の決まりがあり、条件をクリアしなければなりませんが、支払いをしていないにもかかわらず、貸金業者からの督促が来ない場合は、「過払い金」が発生している可能性があります

「過払い金返還請求」は払い過ぎた利息を返してもらうための手続きです。
たとえば、返済していた借金に多額の過払い金が発生している場合、貸金業者は利息分を返金しなければなりません。

貸金業者からすればできるだけ過払い金を払いたくないため、借金が滞っていても返済を請求してこないことがあるのです。
貸金業者は、過払い金が残っている借金よりも超えるようであれば、返済させるどころか逆に過払い金を支払うことになるので、過払い金請求をされないように督促をしないのです。

貸金業者からの督促がこないからといって喜んでいると、過払い金を回収できずに損をする可能性もあります

借金の時効の成立を検討するなら、自分の借金の状況をより正確に把握しておく必要があります。
どこの業者に借りたのか、借り入れの開始時期やその期間、現在の残高など、もらさず明確にしておくことが重要です。

そのうえで時効はどんな場合に成立するのか、自分の借金は時効の条件に当てはまるのかなど、時効が適用されるのか否かを調べる必要があります。

場合によっては借金の時効を待って「時効援用」を利用するより、過払い金の調査をしたほうが良いケースもあります。
借金の状況により対処の仕方が変わってくるので、まずは司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。

借金がゼロになるかもしれない「時効援用」とは

時効というと、時間がたてば自然に成立し借金がチャラになるようなイメージがありますが、借金の時効は放っておいても成立しないので注意が必要です。
一定の条件のもと決められた期間が過ぎると、まず消滅時効といって貸主が借金返還を求める権利がなくなります。

しかし借金の時効は、消滅時効の利益を受けるということを相手に伝えなければ成立しません。これを「時効援用」といいます。

時効援用とは、「消滅時効により借金がなくなるという利益を得ることにした」という意思表示のことです。
この意思表示がなければ、借金が時効になっても貸主が催促してくれば返さなければならないのです。

時効援用をする方法は、借主が時効援用通知書を貸主に送ることですが、配達証明付きの内容証明郵便で郵送して記録が残るようにします。
後で受け取っていないと主張されることがないよう、証拠をのこしておくことで安心できます。

借金の時効が成立する期間は5年か10年

借金の種類による消滅時効期間の違い

家族や友人、個人からお金を借りた場合、時効は10年ですが、借主が個人事業主や会社などの法人だった場合には、営利を目的としているとして商法が適用されるので、消滅時効期間は5年になります。

消費者金融・サラ金業者が貸主の借金

会社組織の消費者金融やサラ金業者からの借金は、営利を目的にするもの(商事債権)なので消滅時効は5年です。
仮に個人の貸金業者であっても、借主が事業者で事業資金などを目的とした借り入れの場合でも同様です。

銀行が貸主である借金

銀行も営利目的である会社(営利法人)とされているので、消滅時効は5年となっています。

信用金庫が貸主の借金

信用金庫は銀行とは異なり、法人であってもおこなう業務は商法上の商人にはあたらない(非営利法人)とされているので、消滅時効は10年になります。
ただし借主が個人でも、商用目的の商人の場合には消滅時効は5年になるので注意しましょう。

住宅金融支援機構(住宅金融公庫)の住宅ローン

住宅金融支援機構(住宅金融公庫)の住宅ローンについても、営利目的ではなく住宅取得を支援することを目的としているため、消滅時効は10年です。

保証協会の求償権

借主に代わって保証協会が債務を弁済した場合に、借主に対して持つことができる権利のことを「求償権」といいます。
信用金庫と同様に保証協会も商人にはあたらないので、求償権の消滅時効も10年となります。

また、保証する借主が個人事業主や会社だった場合は商用目的とされ、消滅時効が5年になるのも同じです。

時効はいつから数えるのか(時効の起算日)

返済期日がない場合

借金をしてから1回も返済をしていないという「返済期日がない」場合は、消滅時効は契約を交わした翌日から数えることになります。
借入先が個人なら契約日の翌日から10年、会社であれば5年が過ぎれば消滅時効を成立させることができます。

返済期日がある場合

借金をしてから1回以上返済をしていた場合は、最後に返済をした日の次の返済期日の翌日から時効期間を数えます。
たとえば最終返済日が6月25日だった場合は、次の返済予定日の翌日、7月26日が起算日になります。

返済期限がわからない場合(不確定期限付債務)

「いずれ家業を継いだときに一括で返済する」などの、返済期日が到来することは確実でも、いつになるかはわからない借金のことを「不確定期限付債務」といいます。

この場合、貸主はいつでも借金を返すように催促できるので、原則としては債権が成立したときから消滅時効を数え始めることになります。
ただし例外もあるので注意が必要です。

借金の時効が成立する条件

借金の時効が成立するには一定の期間が経過するほか、2つの条件をクリアしなければなりません。

まず1つ目は「返済していない状態が継続していること」です。
たとえば、借金をした貸主から10年間返済の請求がなく、さらにその間、借主が一度も返済していない場合などです。

そして2つ目の条件は、「時効が成立していることを貸主に伝える」ことです。

時効の期間が満了(消滅時効)しても、そのまま何もしなければ、借主が時効の権利を行使することはできなくなってしまいます。
その意思表示(時効援用)は口頭でも法律上は問題ないのですが、貸主がこれを拒否し訴訟になった場合、意思表示をしたことを立証することがむずかしくなってしまいます。

確実に時効を成立させるために、時効を援用する旨の書面(時効援用通知書)を内容証明郵便で送ります。
この2つの条件は、時効によって借金をなくすために必要不可欠なものです。

時効の中断:貸主は借金の時効を食い止めることができる

時効を中断する方法1:請求

時効が成立して借金がなくなれば、貸主は損をすることになります。
貸金業者などはこうした貸し倒れをふせぐため、時効を中断させるさまざまな手段を投じてきます。

そもそも貸した側には貸金の返還を求める権利があるため、時効を阻止するのも当然のことです。

時効中断の方法は主に3つあり、その1つが「請求」です。
簡易裁判所に申し立て、裁判所が貸主に代わって借金の支払い命令を出す「支払督促」や、裁判所で借主と貸主が話し合うことを請求する「調停申し立て」も、時効を中断させることができます。

これらの方法は訴状を提出し裁判をおこなう「裁判上の請求」ですが、裁判には時間と費用がかかります。
そこで貸主は直接的な訴訟を避けるために、内容証明郵便で請求書を送付する「催告」という「裁判外の請求」をおこなうことがあります。
ただし裁判外の請求では、催告後6カ月以内に訴訟を起こさなければ時効の中断はできません。

時効を中断する方法2:債務の承認

「債務の承認」とは、時効までの期間中に一度でも電話や書面などで貸主に返済することを約束したり、少額でも借金の一部を返したという事実がある場合に、返済の意思があると見なされ時効が中断することです。

返済の額にかかわらず、借金があることを認めたことになるため、借主がこうした「承認」をした日から再び時効までのカウントは振り出しに戻ります。
債務の承認は時効期間が過ぎていても適用されます。

時効を中断する方法3:差し押さえ

「差し押さえ」による時効の中断は、貸主が借主の財産を差し押さえや仮差し押さえ、または仮処分などをおこなった場合に、時効の中断ができるというものです。

しかしこの方法は、貸主が強制執行力のある書類(公正証書など)をもっている場合に限られるもので、さらに相手の財産をすべて差し押さえることはできず、回収するまでには一定の期間を要します。

また、相手が強制執行中に自己破産すれば、借金を回収することができなくなるなどのデメリットがあります。
貸主がおこなう請求の方法にはさまざまなものがありますが、差し押さえはその中でも最終的なものと捉えておきましょう。

消滅時効援用の手続きの流れ(時効成立までの流れ)

消滅時効援用の手続きを確実におこなうためには、手続き開始から時効成立までの流れを正確に把握しておく必要があります。

消滅時効援用の手続きをするためには、はじめに返済した最後の日を確認して、消滅時効の期間が満了しているかどうかの計算をします。
その際注意しなければならないのが、時効までのカウントが継続されているかを確認することです。

期間中に裁判所から支払督促がきていなかったか(請求)、貸主に返済することを約束したり、催促をされて、少額の返済をしたことはないか(債務の承認)、自宅を離れている場合は家や車などの財産はそのままになっているか(差し押さえ)など、時効の中断になるような理由がないかを確認します。

これらの理由がない場合には、念のためほかにも消滅時効がある貸主がいないかを信用情報記録を見るなどして確認しておくといいでしょう。

時効の援用を貸主に知らせる手段としては、内容証明郵便を配達証明書付きで送り、「時効の援用をする」という借主の意思を伝える方法が一般的です。

貸主からは消滅時効援用を撤回するよう求められることもありますが、借主はこれを断ることができます。
また消滅時効援用について争う意思があれば連絡がきますが、何事もなく、二週間程度経過すれば「時効援用」が認められたことになり、時効が成立します。

時効援用に失敗するケース

時効援用には多くの制約があり、ひとつでも条件に当てはまらない場合には援用できなくなるため、どのようなケースがあるのか知っておく必要があります。

まず、時効援用を採用する旨の内容証明郵便を送ったにもかかわらず、時効期間が満了していなかった場合です。

時効の計算は借金の条件によって異なるので、1日たりとも間違えないよう確実におこないましょう。
時効期間が満了していない状態で時効援用の意思表示をしてしまうと、借主が借金を認めたことになり、時効のカウントがリセットされます。
もしそうなった場合には、借金を返済するか債務整理をおこなうことになります。

また、自分の知らない間に貸主から裁判を起こされているケースもあるので注意が必要です。
時効援用の手続きをする際には、必ず訴訟を起こされていないか(時効中断の手続きをされていないか)を確認しないと、時効援用に失敗してしまいます。

貸主に今の居住地を知らせておらず、住民票も異動していない場合でも、債権者が「公示送達」という方法で裁判を起こしている可能性があります。

公示送達とは、相手が行方不明の場合に、相手に実際に裁判資料を送ることなく裁判をする方法のことです。
このようなケースでは把握することが困難になるため、裁判に関しては自分で確認しておかなければなりません。

借金を時効にするデメリット

時効援用をねらうデメリット(借金の督促から逃げるデメリット)

時効の援用をするには、5~10年のあいだ何もせずに待たなくてはいけません
そのためには、一定の期間は借金の督促から逃げることになります。
ある意味自分の存在を消して過ごす生活は、想像以上に負担が大きいことを知っておきましょう。

住民票を新しい住所にできない

借金の督促から逃げる手段として引っ越しをしても、住民票を新しくすると貸主に連絡先を知られてしまうため、住民票を動かすことができません。
住民票と現住所が異なり、さらにこれまでの市区町村とは別の場所に居住する場合、健康保険や子どもの学区、職場や転送不可の郵便物など、日常生活にもさまざまな影響を与えることになります。

精神的に落ち着かない

いつ貸主から借金を催促されるかと心配しながら生活するので、精神的に落ち着かず不安定になる可能性もあります。
しかも時効を迎えるまでには最低でも5年という長い時間がかかります。
長期間さらされる精神的なストレスは、決して小さいものではないでしょう。

時効成立まで借金は減らない

時効成立をねらうには、借金に関することは一切の連絡や返済をしない状態にしておかなければならないので、当然残された借金額は減ることもなく、忘れることもなく、心のどこかに重くのしかかったままです。

個人間の借金の場合

家族や友人など、借金が個人間でおこなわれた場合には、相手は個人なので裁判などの大掛かりなこともされず、時効成立まで心配いらないと安易に考える人もいるかもしれません。

しかし、相手方が弁護士や司法書士など代理人を立てて訴訟を起こした場合は、時効が中断されるだけでなく重大な信用問題へと発展してしまうでしょう。
相手が自分に近い存在であるからこそ、問題が深刻になりがちです。

時効援用が成立した後のデメリット

5年間はブラックリストにのる

時効援用が成立し借金を返す義務がなくなったとしても、デメリットがないわけではありません。
一般的にはブラックリストといわれる「信用情報機関」に事故情報として登録され、氏名や生年月日などの本人を特定する情報はもちろん、借金の延滞や貸し倒れなどの詳しい事由が記載され、いったんのると5年間は残ります。

その間、新規の借り入れやローン、クレジットカードは利用できません。
事故情報は一定の時間が経てば自動的に削除されますが、滞納したままの状態で放置していて個人情報がクリーンになることはありません
ローンを組みたい場合は時効援用をして5年程度経過すれば信用情報からも延滞が削除されるため、はやめに手続きをしましょう。

借金を踏み倒した貸金業者とその関連企業は半永久的に利用できない

時効援用を採用し、うまく借金を踏み倒したと喜んでばかりもいられません。
相手の貸金業者とその関連企業では、独自に情報を保管し共有していることが多いため、社名やブランド名は異なっても元となる会社が同じであれば、半永久的に新たな借り入れやローンは組めないことになります。

意外にもこうした関連については気づかないで申し込みをする可能性もあり、ローンを組めないことで不便と感じるかもしれません。

しかし、一定の期間が過ぎて信用情報から削除されたあとには、ほかの貸金業者やクレジットカード会社であれば利用することができます。
自分がブラックリストにのっているかどうかは、信用情報を閲覧することで確認できますが、会社独自の情報は確認することができません。

借金の時効が成立しなかった場合は債務整理

借金を延滞している時点ですでにブラックリストにのっています。
何もしないで時効を待っているだけでは、そのまま消えることがありません。

そのうえ、貸金業者などはお金を貸すことに多くの経験を積んでいるため、法的に時効を中断させることに長けています。

時効成立までなんとか耐え忍んだ生活を送ろうにも、たびたび時効の中断という手段をとられてしまえば、借金問題は永遠に終わることなく、多くのストレスに晒されながら過ごすことになってしまいます。

たとえ消滅時効の期間が満了したと思っても、実は公示送達によって知らない間に裁判を起こされていたなど、時効の成立を待つことは簡単ではありません。
借金問題は今後の生活に大きく影響する重要な問題です。

確実にできるのか不安の残る時効を目指すなら、早期に債務整理をして確実な問題解決を図ったほうが、気の重い毎日からも解放されるでしょう。

債務整理をしてしまえば、時効までのカウントダウンの代わりに、自分の名前がブラックリストから削除される日を数え始めることができます

まずは借金を返すために最善を尽くすことが第一ですが、不景気によるリストラや、家族の病気、介護などで、経済状況が悪化することも少なくありません。

返済したくてもできない、これ以上は限界だという場合には、時効を待つよりも専門家に相談することをおすすめします。

債務整理にはいくつかの方法があり、1人ひとりの借金の状況もそれぞれ違いますが、そのなかでもどのような方法が一番良いのかを、専門家が検討し提案してくれます。

時効援用できるか悩んでいる場合、まず司法書士や弁護士に相談

長期にわたって支払いを滞納している借金を時効援用するのか、債務整理するのかの判断は司法書士や弁護士に相談してください。

現在の状況や、自分がどうしたいかの不安や要望を伝えることで、司法書士や弁護士があなたに合った借金の解決方法を提案してくれます。

1人で悩み、何もしないで長い時間を待つなら、債務整理の実績があり信頼できる専門家へ相談する方が、早期の解決が期待でき前向きな生活が始められるでしょう。

杉山事務所では月3000件以上の借金に関する相談があり、相談者様の要望に合わせた解決方法を提案しています。
相談料は無料ですので、気軽にフリーダイヤルやメールフォームからお問い合わせください。

債務整理は無料相談をご利用ください。

ひとりで悩まず、まずは相談ください。 0120066018 0120068027 0120065039 0120069034 0120067009 0120070146 0120131025 0120678027 債務整理のお問い合わせ

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