延滞や滞納した借金があっても過払い金請求をする方法と注意点

返済を忘れてしまい延滞した借金や返済が厳しくて滞納した借金についても、過払い金請求はできます。今現在、延滞している場合も過払い金が発生してる場合があり、請求をすることで借金がなくなる可能性もあります。

なお、どのくらいの過払い金が発生しているかは借り入れ時期や金額によって異なります。

延滞や滞納した借金の過払い金返還請求ができるケース

過払い金は払いすぎた利息のことであり、請求をすることで取り戻すことができます。たとえ借金の返済を延滞していても滞納をしていても、請求することで過払い金を取り戻すことができます。

数年間の滞納した借金があっても過払い金請求ができる

借金の返済を数年間滞納したことがある、もしくは現在も数年ほど滞納している場合でも過払い金が発生している場合があります。

例えば50万円の借金の支払いが3年前から延滞しているとします。この分の遅延損害金として30万円が発生しており、合計で80万円の請求があり、この取り引きを調べたところ過払い金が発生していることがわかりました。

過払い金を返済額にあてていくとすでに5年前には完済できる状況で、さらにこの延滞してからの3年間で60万円の過払い金が発生しているとします。

この場合、すでに5年前には借金を完済できていたため、3年前から発生した遅延損害金は発生することがなく、加えて借金もなくなり手元に過払い金を残すことができます。

なお、過払い金が発生していなかった場合は滞納した分の支払いをしなくてはいけません。支払いがむずかしい場合は任意整理など他の手続きによって、借金や利息の減額をすることができます。

いずれにしても、延滞したまま放置していると借金は大きく膨れ上がってしまいますので、まずは専門家に相談してください。

数日間の延滞があっても過払い金請求ができる

滞納まではいかなくとも、支払いが数日遅れてしまった場合も過払い金が発生している場合は請求することで取り戻すことができます。

ただし、延滞した期間が借金に過払い金を相殺しても借金が残ってしまう場合には「遅延損害金」を支払う必要があります。

遅延損害金を支払うと手元に残る過払い金は減ってしまいますが、過払い金請求ができなくなるわけではありません。過払い金が発生していた場合、遅延損害金よりも高いことが多いため別途支払いが発生することは珍しいです。

過払い金が発生していることがわかったら延滞をしたことがあっても請求することが賢明です。

延滞や滞納した借金の過払い金返還請求ができないケース

過払い金が発生していれば請求をすることで基本的に取り戻すことができますが、以下の場合にのみ、過払い金を取り戻すことができなくなります。

滞納して10年が経過している

過払い金請求は不当利得返還請求権という民法で定められている権利です。しかし民法には権利の期限(時効)があるため注意が必要です。

過払い金請求の期限の制限は「最終取り引きから10年」であり、この期間が経過すると取り引きの時効が完成し、過払い金請求ができなくなります。

最終取り引きとは最後に返済もしくは借り入れをした日であり、今現在も滞納をしている場合は最後に支払いをした日もしくは、最後に借り入れをした日から10年が経過していると時効が完成している可能性が高いです。

時効が完成してしまうと、たとえ過払い金が発生していても取り戻すことはできません。

また、すでに完済している借金に延滞したことがあっても過払い金請求をすることはできますが、完済から10年が経過していた場合は時効が完成しているため過払い金請求することはできません。

時効が完成しているかについては、借り入れをした貸金業者から取引履歴を取り寄せることで確認することができます。取引履歴の取り寄せには1,000円程度の手数料がかかる場合がありますが、個人でも取り寄せることができます。

取引履歴を取り寄せることで時効が完成していないかを知ることができますが、過払い金額も算出することができます。正確な過払い金額が知りたい場合は、専門家に依頼することで取引履歴の取り寄せから過払い金額の算出までを代行してくれます。

杉山事務所では過払い金が発生しなかった場合、費用は一切いただいておりませんのでお気軽にご連絡ください。

貸金業者がすでに倒産している

借り入れをしていた貸金業者がすでに倒産している場合は過払い金請求をすることが非常に困難です。しかし、倒産ではなく吸収合併や事業譲渡などにより他の新しい会社となっている場合は、新しい会社に対して過払い金請求ができる可能性があります。

借り入れをした貸金業者が倒産しているか、吸収合併もしくは事業譲渡しているかについては司法書士や弁護士などの専門家であれば判断できますので、お気軽にご相談ください。

また、倒産までとはいかなくとも経営状況が悪化している貸金業者に過払い金請求をする場合、多くの過払い金を取り戻せないことがほとんどです。

実は、年々利息の制限が厳しくなってきているため貸金業者は銀行と合併したり、倒産に追い込まれたりするケースがここ数年で増加しています。経営状況が悪化する前に早めに過払い金請求をすることをおすすめします。

貸金業者と別途契約を結んでいる

多額の借金をして支払いが苦しくなり貸金業者に相談して利息を減らしてもらった、もしくは利息をカットしてもらう契約を結んだ場合は、過払い金請求をすることがむずかしくなります。

特にこのような相談に応じる場合は過払い金が発生していることが多く、契約を結ぶ際に「過払い金請求の権利を放棄する」旨の記載、もしくはそれと同等の内容の記載の特記事項があることがほとんどです。特記時効つきの契約を結んでしまった場合は、過払い金請求はできません。

延滞や滞納した借金の過払い金請求をする場合の注意点

借金の返済は毎月数万円の分割払いでおこなわれます。いい方を変えると、毎月の返済日がくるまでは支払いをしなくてもいいということになり(期限の利益)、これは債務者の権利です。

しかし、民法では期限の利益を喪失するケースとして「返済に延滞や滞納があるとき」を定めています(民法137条)。期限の利益が喪失すると、貸金業者は一括請求や担保があれば差し押さえをすることができます。

一般的に数日の延滞であれば一括請求を求められることは少なく、遅延損害金を支払うことで分割払いが継続されます。遅延損害金は遅延利息ということもあり、支払いが遅れてしまったことでの損害を賠償するために支払うお金で、遅れた日数分を支払うことになります。

遅延損害金の料率

遅延損害金は上限料率が定められており、利息制限法の上限金利の1.46倍までと定められていました。

借り入れ金 10万円未満 10万以上100万未満 100万以上
借り入れ金の上限金利 20% 18% 15%
遅延損害金の上限金利 29.2% 26.28% 21.9%

現在は利息制限法の改正により上限料率は20%までと定められており、上限以上の遅延損害金を支払っていた場合には過払い金として取り戻すことができます。

遅延損害金が発生している場合の過払い金額の計算は複雑

過払い金額の計算は貸金業者から取り寄せた取引履歴を使用して算出します。取引履歴には借り入れ日や返済日、料率や借り入れ額・返済額の記載があるため、法定利息での借り入れがされていたかを細かく算出していきます。

遅延損害金が発生していた場合、遅延損害金の料率が適切であるか、払いすぎた遅延損害金がないかなども算出しなければいけないため、過払い金額の算出が非常に複雑になります。

過払い金額の算出は個人でもできますが、過払い金額が相違してしまった場合は金額相違のため過払い金請求を断られてしまったり、またはもっと多くもらえるはずの過払い金が少なく請求してしまうリスクもあります。

たとえば過払い金に5%の利息を上乗せして請求できたり、専門家であれば見落としなくより多くの過払い金額を算出することができます。過払い金額の算出は司法書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

期限の利益と遅延損害金は裁判でも争点となる

過払い金請求は貸金業者との話し合いによって解決(和解)しない場合、裁判を起こして判決によって過払い金を取り戻すことができます。

貸金業者はなるべく過払い金を返還したくないため、あらゆる理由をつけて減額を主張してくるため、話し合いによって満額の過払い金を取り戻すことは非常に困難です。より多くの過払い金を取り戻したい場合は裁判をする方が賢明です。

裁判を起こした際にもなお、なるべく返還する過払い金を引き下げようとしてくる争点の中で、期限の利益と遅延損害金については貸金業者がよく主張してくるひとつです。

貸金業者は、一度でも遅延または延滞をしている借金については期限の利益が喪失しているため過払い金の計算において遅延損害金の料率を加味したものであるよう主張してきます。

しかし、明細書に遅延損害金の記載がなかったり、遅延しているにも関わらず再度貸し付けをおこなっているなど、期限の利益が喪失したことがわからなかった場合や、次の返済日のお知らせや一括請求がされなかったなど期限の利益を再度付与したかのような行為があった場合には期限の利益は喪失しておらず、一般的な引き直し計算で過払い金額を計算して請求することができます。

ただし、過払い金で借金額がゼロになる前に遅延もしくは延滞してしまっていた場合は、その分の遅延損害金を支払う必要があります。遅延損害金が発生しているのか、また過払い金請求ができるのかについては一度専門家に相談してみることをおすすめします。

杉山事務所は相談料や着手金などの初期費用が一切不要で無料相談ができますので、お気軽にお電話またはメールにてご連絡ください。

督促がこない場合は過払い金が発生している可能性が高い

延滞や滞納しているにも関わらず督促が来なかった場合も、過払い金が発生している可能性が非常に高くなります。貸金業者は本来ならば早くお金を返してほしいため、督促状をしつこく送ったり電話をかけたりして回収をはかります。

しかし、支払いが厳しく滞っている中で、しつこく督促をしてしまうと専門家などへ相談にいって過払い金請求をされてしまうかもしれないため、督促の連絡はしないものの遅延損害金を借金に上乗せして請求しているのです。

この場合は、貸金業者が過払い金が発生していることを知っているため、滞納額が過払い金額よりも低ければ、時効が完成するまで督促などの連絡がこないこともあります。

過払い金請求をすることで、滞納している借金がなくなりさらに手元にお金が入ることもありますので、まずは過払い金が発生しているか調べてみることをおすすめします。

過払い金請求でブラックリストには載りません

以前は過払い金請求をすることで信用情報機関に記録(ブラックリストに載ると)されていましたが、2010年1月に金融庁が過払い金請求の記録は信用情報から削除するよう発表したため、現在はブラックリストには載りません。

しかし、信用情報機関は返済状況も記録されるため、延滞や延滞を繰り返している場合にはすでにブラックリストに載ってしまっている場合があります。また、過払い金請求をして取り戻した過払い金で借金がなくならなかった場合は債務整理(任意整理)の扱いとなるため、ブラックリストに載ってしまいます。

ただしブラックリストは5年程度で削除されます。たとえブラックリストに載ってしまったとしても債務整理(任意整理)をすることで過払い金を取り戻して借金の返済にあてることに加えて、利息のカットや借金額の減額をすることができますので、特に借金に苦しんでいる方は専門家に相談してください。

延滞や滞納を繰り返すことでリスクが高くなることも

借金の延滞や滞納を繰り返すことでブラックリストに載ってしまっている可能性があります。また、過払い金が発生している場合は滞納から10年が経過してしまったら時効が完成してしまうため過払い金請求ができなくなります。

過払い金は借り入れ時期が昔であるほど、多くの過払い金が発生している可能性が高く、100万円以上の過払い金が発生していることも珍しくありません。

過払い金請求は個人でもできますが、延滞や滞納していた場合の遅延損害金の計算や過払い金額の算出、借金が残ってしまってブラックリストに載ってしまうことがないか、過払い金額を多く取り戻すために裁判をおこなうための手続きなど、専門家でないと判断や手続きを進めることがむずかしいことが多くあります。

専門家に依頼すると高くつくのではないかと思うかもしれませんが、杉山事務所では過払い金が発生していなかった場合は費用は一切かからず、また相談のみも無料で承っています。

月10,000件以上の相談を受けており※1、延滞や滞納している借金についての過払い金請求をした実績もございます。相談者様に合わせた解決策をご提案しておりますので、まずはお気軽にお電話またはメールにてご相談ください。

債務整理・借金減額は無料相談をご利用ください。

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