グレーゾーン金利(ぐれーぞーんきんり)とは?

グレーゾーン金利とは、平成18年の貸金業法改正以前に存在していた、利息制限法で定める上限金利と出資法で定める上限金利の間の金利帯を指す用語です。

この金利帯は法的に曖昧な状態にあったため、「グレーゾーン」と呼ばれていました。

グレーゾーン金利の基本概念

定義 利息制限法の上限金利と出資法の上限金利の間の金利帯
存在期間 貸金業法制定(1983年)から平成18年(2006年)の法改正まで
法的根拠 旧貸金業法第43条1項(みなし弁済規定

グレーゾーン金利の背景

みなし弁済制度
  • 旧貸金業法第43条1項に基づく制度
  • 一定の条件下で利息制限法を超える金利の支払いを有効とみなす
みなし弁済の条件

グレーゾーン金利の範囲

下限 利息制限法で定める上限金利(元本に応じて年15%~20%)
上限 出資法で定める上限金利(時期により変動)

出資法上限金利の変遷

出資法5条2項で定める上限金利は、以下のように段階的に引き下げられました。

  • 年109.5%
  • 年73%
  • 年54.75%
  • 年40.004%
  • 最終的に年29.2%まで引き下げ

グレーゾーン金利の問題点

法的曖昧さ 利息制限法違反だが、出資法違反ではない状態
高金利の容認 実質的に高金利での貸付を可能にしていた
多重債務問題 高金利による返済負担増大が多重債務の一因に
消費者保護の不十分さ 借り手にとって不利な状況を生み出していた

グレーゾーン金利の廃止

  • 平成18年(2006年)の貸金業法改正により廃止
  • みなし弁済制度の廃止
  • 出資法の上限金利の引き下げ(年20%へ)
  • 総量規制の導入など、消費者保護策の強化

グレーゾーン金利時代の借入に関する債務整理

過払い金請求 グレーゾーン金利で支払った利息の一部が返還対象となる可能性
法的判断の重要性 個々の事例に応じて、みなし弁済の適用可否を判断する必要がある
時効の問題 過払い金請求には時効があるため、早めの対応が重要

グレーゾーン金利に関する注意点

現在は廃止 現在の借入にはグレーゾーン金利は適用されない
過去の借入の確認 グレーゾーン金利時代の借入がある場合、過払金の可能性を検討する
専門家への相談 複雑な法的判断が必要なため、専門家のアドバイスが重要

グレーゾーン金利についてのよくある質問

グレーゾーン金利で支払った利息については、みなし弁済の要件を満たしていない場合、利息制限法の制限を超えた部分が過払い金として返還請求できる可能性があります。

ただし、契約書や受取証書の交付状況など、個々の事例によって判断が異なります。また、過払い金請求権には時効があるため、早めに専門家に相談することをおすすめします。

過去の契約書や返済明細書を確認することで、適用されていた金利を知ることができます。ただし、古い書類を紛失している場合でも、貸金業者に対して取引履歴の開示請求をすることが可能です。

また、司法書士や弁護士などの専門家に相談すれば、取引履歴を基に適用金利の確認と過払い金の有無を調査してもらえます。

現在の借入にグレーゾーン金利は適用されません。2006年の貸金業法改正により、グレーゾーン金利は完全に廃止されました。

現在の貸金業者による貸付の上限金利は、利息制限法の制限(元本に応じて年15%~20%)と出資法の上限(年20%)が一致しており、これを超える金利での貸付は法律違反となります。

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