裁判上の和解(さいばんじょうのわかい)とは?
裁判上の和解とは、民事裁判において、訴訟中に当事者が双方の主張を譲歩して権利関係に関する合意をすることを指します。
この手続きは、裁判所の関与のもとで行われ、和解が成立すると和解調書が作成されます。
裁判上の和解の基本概念
定義 | 訴訟中の当事者間での合意による紛争解決方法 |
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目的 | 訴訟の早期解決と当事者間の関係修復 |
法的根拠 | 民事訴訟法第89条 |
裁判上の和解の流れ
1.和解勧告 | 裁判所が原告と被告双方に和解を勧める |
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2.心証開示 | 裁判所が現時点での判断(心証)を当事者に示す |
3.和解案の提示 | 裁判所が書面または口頭で和解案を提示 |
4.交渉 | 当事者間で和解条件について交渉 |
5.合意形成 | 双方が合意に達する |
6.和解調書作成 | 合意内容を記載した和解調書を作成 |
裁判上の和解の時期
- 訴訟のどの段階でも可能
- 侵害論の終了段階
- 弁論終結前後
裁判上の和解のメリット
時間と費用の節約 | 訴訟の長期化を回避できる |
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任意履行への期待 | 当事者間の合意に基づくため、履行の可能性が高い |
柔軟な解決 | 判決よりも柔軟な解決策を見出せる |
関係の維持 | 当事者間の関係を維持しやすい |
秘密保持 | 判決と比べて内容の公開を制限できる |
裁判上の和解の効力
確定判決と同一の効力 | 和解調書は確定判決と同等の効力を持つ |
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執行力 | 和解内容に基づいて強制執行が可能 |
既判力 | 同一の事項について再び訴えを提起できない |
裁判上の和解の利用状況
知的財産訴訟での利用 | 約37%が和解で終了(平成26~27年の東京地裁・大阪地裁のデータ) |
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一般民事訴訟 | 多くの事件で和解が試みられる |
債務整理における裁判上の和解について
債権債務関係の調整 | 債務の減額や返済計画の変更などが可能 |
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執行力の付与 | 和解内容に基づく債務履行を強制できる |
紛争の早期解決紛争の早期解決 | 長期化する可能性のある訴訟を早期に解決できる |
裁判上の和解の注意点
譲歩の必要性 | 双方が譲歩する必要がある |
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慎重な判断 | 和解内容が確定判決と同等の効力を持つため、慎重な判断が必要 |
法的助言の重要性 | 和解の是非や内容について、専門家の助言を受けることが望ましい |
裁判上の和解についてのよくある質問
裁判上の和解に応じるかどうかは当事者の任意です。裁判所から和解の勧告があっても、必ずしも応じる必要はありません。
ただし、和解には時間と費用の節約、柔軟な解決策の実現など多くのメリットがあるため、検討する価値はあります。
和解案に納得できない場合は、判決による解決を選択することができます。
裁判上の和解は、成立すると確定判決と同等の効力を持つため、原則として取り消すことはできません。
ただし、和解の成立に詐欺や強迫などの重大な瑕疵があった場合は、和解無効の訴えを提起することが可能です。
そのため、和解に応じる際は、内容を慎重に検討し、必要に応じて司法書士や弁護士などの専門家に相談することが重要です。
裁判上の和解は執行力を持つため、相手方が和解内容を履行しない場合は、和解調書に基づいて強制執行を申し立てることができます。
これは通常の判決と同様の手続きで行うことができ、債務者の財産に対して強制執行することが可能です。
ただし、強制執行の具体的な手続きは複雑なため、弁護士に相談することをおすすめします。
裁判上の和解に関する問題や、債務整理における訴訟や和解についてお悩みの方は、お気軽に杉山事務所にご相談ください。
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