遅延損害金(ちえんそんがいきん)とは?
遅延損害金とは、借入金を期日通りに返済しないことに対して課される損害賠償金のことを指します。
これは債務者の返済遅延に対するペナルティとしての性質を持ち、通常の利息とは別に発生します。
遅延損害金の基本概念
定義 | 返済遅延に対して課される追加的な金銭的負担 |
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目的 | 債務者の返済遵守を促し、債権者の損失を補填する |
法的根拠 | 民法第419条(金銭債務の特則) |
遅延損害金の特徴
利率 | 通常の利息よりも高い金利が設定されることが多い |
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計算期間 | 返済期日の翌日から支払い済みまでの期間 |
消費者金融の特殊性 | 元の利息が高いため、利息と同率の場合もある |
遅延損害金の計算方法
基本公式 | 元金 × 遅延損害金利率 × 遅延日数 ÷ 365 |
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日割り計算 | 遅延期間に応じて日割りで計算される |
複利計算 | 契約によっては複利で計算される場合もある |
遅延損害金の法的制限
利息制限法 | 消費者向け貸付の上限金利を規定 |
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出資法 | 貸金業者に対する上限金利を規定 |
民法の規定 | 法定利率(年3%)が適用される場合がある |
債務整理における遅延損害金について
任意整理 | 遅延損害金の減額交渉が可能 |
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個人再生 | 再生計画に基づく返済で遅延損害金が軽減される可能性 |
自己破産 | 免責により遅延損害金も免除される可能性 |
遅延損害金に関する注意点
金利の確認 | 契約書で遅延損害金の利率を確認する |
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早期対応 | 返済遅延の可能性がある場合は早めに債権者に相談 |
累積のリスク | 長期の遅延で遅延損害金が急速に増加する可能性 |
法的制限の確認 | 適用される法律に基づく上限金利を確認 |
遅延損害金の減額交渉について
事情説明 | 遅延の理由を誠実に説明 |
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返済計画の提示 | 実現可能な返済計画を提案 |
一部免除の要請 | 経済的困難を理由に一部免除を求める |
専門家の介入 | 弁護士や司法書士による交渉の検討 |
遅延損害金と信用情報
記録 | 返済遅延は信用情報機関に記録される |
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影響期間 | 返済完了後も一定期間は記録が残る |
将来への影響 | 新規借入れや各種契約に影響を与える可能性 |
遅延損害金の予防策
返済日の管理 | カレンダーやアプリで返済日を管理 |
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自動引き落とし | 可能な場合は自動引き落としを利用 |
緊急資金の確保 | 予期せぬ出費に備えて貯蓄を行う |
早期相談 | 返済困難が予想される場合は早めに相談 |
遅延損害金についてのよくある質問
遅延損害金は、約定の返済期日の翌日から発生します。
例えば、毎月25日が返済日の場合、25日中に支払いができなければ26日から遅延損害金が発生することになります。
返済日が土日祝日の場合は翌営業日が返済期日となりますが、その翌日からは遅延損害金が発生するため注意が必要です。
返済が遅れそうな場合は、まず返済期日前に債権者(貸金業者や銀行など)に連絡することが重要です。
事情を説明し、返済計画の見直しや分割払いへの変更などを相談することで、柔軟な対応が可能な場合があります。
無断で返済を遅らせると、遅延損害金の発生だけでなく、信用情報にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早めに専門家に相談することをおすすめします。
はい、遅延損害金にも法律による上限があります。
利息制限法では、元本額によって異なる上限が定められており、10万円未満の場合は年20%、10万円以上100万円未満の場合は年18%、100万円以上の場合は年15%となっています。
また、貸金業者に対しては出資法により、より詳細な規制が設けられています。これらの制限を超える遅延損害金は無効となり、超過分は返還請求が可能です。
遅延損害金でお悩みの方、または返済計画の見直しについてご相談がある方は、杉山事務所にお気軽にお問い合わせください。
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