CIC(しーあいしー)とは?
CIC(株式会社シー・アイ・シー)は、クレジットカード会社や信販会社などが加盟する横断的な個人信用情報機関です。消費者金融やクレジットカードなどの利用履歴や返済状況などの信用情報を一元管理しています。
この情報は加盟会社間で共有され、新規契約の際の審査や与信判断に活用されます。債務整理を検討する方にとって、CICへの情報登録は将来的なクレジットカード発行や借入れに大きく影響するため、理解しておくことが重要です。
CICの基本情報と役割
正式名称 | 株式会社シー・アイ・シー(CIC) |
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英文社名 | CREDIT INFORMATION CENTER CORP. |
設立年 | 1984年(昭和59年) |
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿 |
CICは1984年に「株式会社信用情報センター」として設立され、1991年に現在の社名に変更されました。主な役割は消費者の信用情報を収集・管理し、加盟会社に提供することで、適切な与信判断をサポートすることです。
CICの主な機能
情報収集 | 加盟会社から個人の取引情報や返済状況などの信用情報を収集します |
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情報管理 | 収集した信用情報を適切に管理・保護し、個人情報保護法に基づいた運用を行います |
情報提供 | 契約審査時に加盟会社からの照会に対して信用情報を提供します |
クレジット・ガイダンス | 個人向けに信用情報の開示や信用管理のアドバイスを提供します |
これらの機能により、CICは健全な消費者信用取引の発展に貢献しています。特にクレジットカードやローンの審査において重要な役割を果たしており、適切な審査を通じて過剰な借入を防止する機能も担っています。
主な加盟事業者
クレジット関連 |
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その他 |
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CICには様々な業種の企業が加盟しており、クレジット関連の与信判断に広く活用されています。加盟企業は情報を提供する義務と、取得した情報を適切に管理する責任を負っています。
CICが取り扱う主な信用情報
本人特定情報 | 氏名、生年月日、住所、電話番号、勤務先など |
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契約情報 | クレジットカードの契約状況、契約日、利用限度額、契約種類など |
返済情報 | 返済状況、延滞情報、支払い遅延の履歴など |
債務整理情報 | 任意整理、個人再生、自己破産などの記録 |
申込情報 | クレジットやローンの申込履歴 |
CICで管理される信用情報は多岐にわたります。特に返済遅延や債務整理の情報は、将来的な借入やクレジットカード発行に大きな影響を与えるため注意が必要です。
これらの情報は一定期間保持され、その期間は情報の種類によって異なります。例えば、通常の契約情報は契約終了後5年間保持されますが、債務整理に関する情報は手続き完了後から5〜10年間登録されます。
登録される情報の保持期間
通常の契約情報 | 契約終了後5年間 |
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延滞情報 | 延滞解消後5年間 |
債務整理情報 | 手続き完了後5〜10年間(整理方法により異なる) |
申込情報 | 申込日から6ヶ月間 |
これらの期間が経過すると、該当情報は自動的に削除されます。ただし、新たな延滞や債務整理があった場合は、その時点から再び保持期間がカウントされることになります。
他の信用情報機関との連携
CICは単独で機能しているだけでなく、他の主要な信用情報機関とも情報を相互に共有しています。これにより、より包括的な信用情報が形成されています。
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行や信用金庫などの金融機関が主な会員となっている信用情報機関です |
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日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融会社やクレジットカード会社が主な会員となっている信用情報機関です |
連携内容 | 信用情報の相互提供・共有を行い、より正確な与信判断をサポートします |
これら3つの機関は「信用情報機関の三機関」と呼ばれ、それぞれが保有する情報を相互に照会できる仕組みになっています。そのため、一つの機関に情報が登録されると、他の機関にも情報が共有される可能性があります。
例えば、債務整理を行った場合、その情報は複数の信用情報機関に登録されることになり、様々な金融取引に影響を及ぼす可能性があります。
債務整理とCICの関係
債務整理を行うと、その情報はCICに登録されます。これにより、一定期間は新たなクレジットカードの発行や借入れが困難になる可能性があります。
任意整理 | 和解成立後5年間、「債務整理」として登録されます |
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個人再生 | 再生計画認可後5〜10年間、「債務整理」として登録されます |
自己破産 | 免責許可後10年間、「債務整理」として登録されます |
過払い金請求 | 通常は「債務整理」としての登録はありませんが、取引履歴は残ります |
債務整理の方法によって、CICへの登録期間が異なります。任意整理は比較的短い5年間ですが、自己破産は10年間と長期にわたって登録が続きます。
これらの情報が登録されると、新たなクレジットカードの発行や借入れの審査に通らない可能性が高くなります。ただし、登録期間が経過すれば情報は削除され、信用回復の機会が与えられます。
債務整理後の信用回復について
- 債務整理後も残債を誠実に返済し続ける
- 公共料金や携帯電話料金などの支払いを滞りなく行う
- デビットカードなどの利用実績を積む
- 一定期間経過後、徐々に少額のクレジットから再開する
債務整理後でも、上記のような行動を積み重ねることで、徐々に信用を回復させることが可能です。特に、残債の返済を滞りなく続けることが最も重要な信用回復の方法となります。
個人の権利と情報確認方法
CICに登録されている自分の信用情報は、本人が確認することができます。また、情報に誤りがあった場合は訂正を求める権利もあります。
開示請求 | 自身の信用情報の開示を請求する権利があります |
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開示方法 |
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必要書類 | 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)が必要です |
訂正・削除 | 誤った情報の訂正や、不要となった情報の削除を請求できます |
信用情報の開示には手数料がかかりますが、自分の信用状況を把握するためには重要な手続きです。特に債務整理を検討している場合や、過去に返済の遅延があった場合は、現在の信用状況を確認しておくことをおすすめします。
また、誤った情報が登録されている場合は、情報を登録した加盟会社に連絡し、訂正の手続きを依頼することが可能です。加盟会社が誤りを認めれば、CICの記録も訂正されます。
よくある質問
延滞情報がCICに登録されると、新規のクレジットカード発行や各種ローンの審査に通りにくくなります。
特に、61日以上の延滞(いわゆる「長期延滞」)は深刻な信用情報として扱われ、審査への影響が大きくなります。延滞情報は、延滞が解消されてから5年間登録が続くため、返済計画は慎重に立てることが重要です。
任意整理を行うと、和解が成立した債権者から「債務整理」という情報がCICに登録されます。
この情報は和解成立後5年間保持され、その間はクレジットカードの作成や新規借入が難しくなります。ただし、任意整理は自己破産や個人再生と比べると登録期間が短いため、比較的早く信用を回復できる可能性があります。
CICの信用情報は、基本的に加盟会社からの報告に基づいて毎月更新されます。
ただし、加盟会社によって報告のタイミングは異なるため、実際の状況と信用情報機関の記録にはタイムラグが生じることがあります。例えば、債務の完済後すぐに情報が更新されるとは限らず、1〜2ヶ月程度の遅れが生じる場合もあります。
過払い金請求自体は通常「債務整理」としてCICに登録されません。
過払い金請求は不当に払いすぎた利息の返還を求める手続きであり、債務整理とは性質が異なります。ただし、過払い金請求の結果として取引が終了した場合は、その取引履歴自体は一定期間残ります。また、取引中に返済遅延があった場合は、その延滞情報も記録されています。
債務整理の情報がCICに登録されている間は、一般的に新規のクレジットカード発行は難しいですが、絶対に不可能というわけではありません。
一部のクレジットカード会社では、債務整理後でも安定した収入がある場合や、一定期間が経過している場合など、状況によっては審査に通る可能性があります。特に、デポジット型のクレジットカード(保証金を預けるタイプ)であれば、比較的取得しやすい傾向にあります。
まとめ
CIC(株式会社シー・アイ・シー)は、クレジットカード会社や信販会社が加盟する個人信用情報機関であり、消費者の信用情報を収集・管理しています。この情報は加盟会社間で共有され、新規契約の際の審査や与信判断に活用されています。
債務整理を行うと、その情報はCICに一定期間登録され、新たなクレジットカードの発行や借入れが困難になる可能性があります。登録期間は債務整理の方法によって異なり、任意整理は5年間、自己破産は10年間となっています。
ただし、情報の登録期間が経過すれば削除され、徐々に信用を回復させることが可能です。また、CICに登録されている自分の信用情報は、本人が開示請求をすることで確認することができます。
債務整理を検討している方や、過去に返済の遅延があった方は、現在の信用状況をCICで確認しておくことをおすすめします。債務整理や信用情報に関するご相談は、杉山事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
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