再生委員面接(さいせいいいんめんせつ)とは?

再生委員面接とは、民事再生手続きにおいて事件受付から1~2週間後に行われる重要な面談のことです。債務者の状況を詳しく把握し、再生計画の実現可能性を評価するために実施されます。

通常は再生委員の事務所で行われ、再生委員、債務者本人、そして債務者の代理人弁護士の3者が参加する形で進められます。この面接は民事再生手続きの成否を左右する重要なステップとなります。

再生委員面接の基本知識

意味 民事再生手続きにおける再生委員による債務者への公式面談
実施時期 民事再生の申立てから約1~2週間後
実施場所 ほとんどの場合、再生委員の事務所
面接参加者 再生委員、債務者本人、債務者代理人弁護士

再生委員面接は民事再生手続きの初期段階で行われる公式な面談です。この面接によって債務者の状況が正確に把握され、適切な再生計画を立てるための基礎情報が集められます。

再生委員面接の目的

  • 債務者の現在の財務状況を正確に把握すること
  • 債務が発生した経緯や理由を確認すること
  • 債務者の将来的な返済能力を評価すること
  • 再生計画案の実現可能性を検討すること
  • 債務者の誠実性や協力姿勢を確認すること

再生委員面接の主な目的は、債務者の財務状況を詳細に把握し、再生計画が実行可能かどうかを判断することです。債務者の誠実さも重要な判断材料となります。

再生委員面接での確認事項

債務の詳細 各借入先、借入金額、借入時期、金利条件など
債務の発生原因 借入に至った具体的な経緯や資金使途
収入状況 現在の収入源、月収額、ボーナスの有無、将来的な収入見込み
資産状況 保有する不動産、預貯金、車両、保険など価値のある財産
返済見通し 今後の生活費を考慮した上での返済可能額

面接では上記のような項目について詳しく質問されます。これらの情報は再生計画を立てる上での重要な判断材料となるため、正確に答えることが求められます。

再生委員面接の流れ

  1. 再生委員による面接の趣旨説明
  2. 債務者の基本情報(氏名、住所、家族構成など)の確認
  3. 債務の発生経緯や金額に関する質疑
  4. 収入や資産状況についての質疑
  5. 今後の返済能力についての質疑
  6. 提出書類の内容確認
  7. 追加で必要な資料の説明
  8. 今後の手続きの流れについての説明
  9. 質問事項の確認と面接の終了

面接は通常、上記のような流れで進行します。再生委員からの質問に対して債務者が回答し、必要に応じて代理人弁護士がサポートします。

再生委員面接の特徴

所要時間 通常30分~1時間程度(状況により変動)
面接の雰囲気 公式な面談だが、比較的落ち着いた雰囲気で行われることが多い
質問の詳細度 疑問点や不明点があれば詳細に掘り下げて質問される
追加面接の可能性 内容によっては追加の面接が設定されることもある

再生委員面接は公式な手続きですが、通常は穏やかな雰囲気で行われます。ただし、不明点や矛盾点があれば詳しく質問されることがあります。

再生委員面接の準備方法

  • 必要書類(収入証明、財産目録、債務関係書類など)を完全に準備する
  • 借入の経緯や理由を時系列で整理しておく
  • 現在の収入状況や生活費の内訳を正確に把握しておく
  • 所有財産の種類や価値を把握しておく
  • 今後の生活設計や返済計画について考えをまとめておく
  • 不明点は事前に代理人弁護士に質問し解消しておく

面接に向けては上記のような準備が必要です。特に借入の経緯や理由、現在の収入状況などは質問される可能性が高いので、事前に整理しておきましょう。

面接時の注意点

正直な回答 虚偽の申告は手続きの却下につながる可能性があるため、必ず正直に答える
具体的な説明 曖昧な回答ではなく、具体的な数字や事実に基づいて説明する
メモの活用 重要な指示や質問はメモを取り、後で確認できるようにする
質問の確認 質問の意味が不明な場合は、遠慮せずに確認する
感情のコントロール 緊張するのは自然だが、落ち着いて応対するよう心がける

面接では正直かつ具体的に回答することが最も重要です。また、メモを取ることで重要な指示を忘れないようにしましょう。不明点は必ず確認するようにしてください。

面接後の展開

追加資料の提出 面接の結果、追加の資料提出を求められることがある
再生計画案の作成 面接結果を踏まえて再生計画案を作成・提出する
裁判所への報告 再生委員が面接内容と評価を裁判所に報告する
手続きの進行判断 問題がなければ次のステップに進み、問題があれば追加調査などが行われる

面接後は、再生委員が裁判所に面接結果を報告します。問題がなければ手続きは次のステップに進みますが、必要に応じて追加の資料提出や調査が行われることもあります。

よくある質問

主に以下のような書類が必要となります。ただし、具体的な必要書類は代理人弁護士から指示がありますので、それに従ってください。

・収入証明書類(給与明細、源泉徴収票、確定申告書など)

・財産関係書類(預金通帳、不動産登記簿謄本、車検証など)

・債務関係書類(借用書、返済予定表、取引履歴など)

・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)

主に以下のような内容について質問されることが多いです。

・借金をした理由や経緯(いつから、何のために借りたのか)

・現在の収入状況(月収、ボーナス、副収入など)

・家族構成や扶養家族の有無

・毎月の生活費の内訳

・所有している財産の詳細

・今後の収入見込みや返済能力

緊張するのは自然なことですので、まずは深呼吸をして落ち着くようにしましょう。

質問の意味が分からない場合は「もう一度質問していただけますか」と遠慮なく伝えてください。

また、代理人弁護士が同席していますので、答えに困った場合は弁護士に助けを求めることも可能です。

正直に答えることが最も重要ですので、記憶が曖昧な場合は「正確には覚えていませんが、おおよそ~」といった形で回答するとよいでしょう。

面接の結果自体はその場で直接伝えられることはあまりありません。

再生委員は面接内容を裁判所に報告し、その後の手続きの進行に反映されます。

手続きの進行状況や次のステップについては、代理人弁護士から随時連絡がありますので、不安な点があれば弁護士に相談するとよいでしょう。

まとめ

再生委員面接は民事再生手続きにおいて非常に重要なステップです。債務者の財務状況や返済能力を評価し、再生計画の実現可能性を判断するための面談となります。

面接では借金の経緯や理由、現在の収入状況、財産状況などについて詳しく質問されます。これらの質問に対して正直かつ具体的に回答することが求められます。

面接に向けては必要書類の準備や借金の経緯の整理など、事前の準備が重要です。不明点があれば代理人弁護士に相談し、当日は落ち着いて対応するよう心がけましょう。

面接後は再生委員が裁判所に報告を行い、問題がなければ手続きは次のステップに進みます。必要に応じて追加の資料提出や調査が行われることもあります。

民事再生手続きは専門的な知識が必要な複雑な手続きです。不安や疑問がある場合は、杉山事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。経験豊富な専門家がサポートいたします。

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