過払い金請求で裁判所に訴訟する流れとかかる費用

過払い金請求には金融機関との話し合い(和解)で過払い金を取り戻せるケースと話し合いでは納得できる金額を取り戻せないため裁判(訴訟)を起こして取り戻すケースがあります。一般的に、裁判を起こした方が、過払い金の返還率は高くなりますが、話し合いのみ(和解)の場合の方が、比較的早く解決できます。

ここでは過払い金請求で裁判所に訴訟する際の流れやかかる費用、裁判においての争点のポイントなどについて解説していきます。

過払い金請求で裁判をおこなうケース

過払い金請求は払いすぎた利息を取り戻す手続きで、法に基づいた権利です。一般的に貸金業者との交渉によりある程度の過払い金は取り戻すことができますが、交渉だけではすべての過払い金を取り戻せないケースもあります。

その場合は、裁判所に対して訴訟を提起することで、過払い金を取り戻すことができます。主に裁判になるケースとして以下のことが考えられます。

話し合いが平行線で進まない

過払い金請求は貸金業者に「払いすぎた過払い金を返して欲しい」と直接話し合いで交渉します。ここで貸金業者から同意があれば過払い金は返金されますが、残念ながらほとんどの場合、同意してくれることはありません。

貸金業者もなるべく過払い金を払わなくて済むように、あらゆる理由をつけて返金を拒んでくるため、貸金業者と意見が対立し、話し合いが平行線で進まなくなってしまうことがあります。この場合は、裁判所に訴訟を提訴することで裁判所の判決をもって過払い金を取り戻すことができます。

提示された過払い金額では不満がある

貸金業者との話し合いにおいて、満額ではない過払い金額で和解の申し入れがあることがあります。この申し入れで和解した場合、早く手元にお金が戻ってくるというメリットもありますが、より多くの過払い金額を回収したい場合はさらに話し合いを重ね、それでも貸金業者の提示金額が変わらない場合は裁判所に対して訴訟を提起します。

一般的に、過払い金を話し合いで解決した場合、実際に払い過ぎた金額の約50%~80%で示談が成立します。これに対し、裁判所に訴訟を提起した場合、ほぼ100%の過払い金に、利息まで付いて戻ってくる場合があります。貸金業者からの提示金額で納得できない場合は無理に和解する必要はなく、裁判を起こすことでより多くの過払い金を回収できる可能性が高くなります。

利息5%をつけて請求したい

過払い金は貸金業者が不当に受け取った利益であり、貸金業者が過払い金が発生していることや、これを返還しなければいけないことを知っていたと認められた場合、貸金業者に対して過払い金および過払い金にかかる利息5%を返還するように求めることができます。(民法404条、703条、704条)

しかし、示談で利息をつけて取り戻すことはむずかしく、利息5%をつけた額を請求したい場合には、裁判所に対し訴訟を提起することになります。

なお、利息率については2020年4月1日以前の取引きについては5%ですが、2020年4月1日以降の取引きについては3%として計算するとされています。

裁判をすると過払い金の回収額が高くなる

訴訟を提起しない場合よりも訴訟を提起した方が、手間と時間はかかりますが、回収できる金額が大きくなる可能性があります。交渉で解決を目指す場合、貸金業者によっては専門家が入っても交渉に応じないことや、強硬姿勢を取ってくることもあり、さらに大幅に減額した過払い金額を提示する場合も少なくありません。

裁判をすることで回収額が大きくなる理由として、交渉する場合と裁判をする場合とで、貸金業者の担当部署が違うことが挙げられます。裁判をする前の交渉担当部署は、訴訟担当部署よりも和解権限に制限があります。

たとえば、「元本額の〇割まで」と制限があったり、「返金額は一律◯◯万円まで」と決められていたりするなど、和解する際に提示できる金額の上限が細かく設定されている場合があります。

一方、訴訟担当の部署ではそういった制約がなくなります。そのため、権限に制限のある交渉担当部署を相手にするよりも、権限に制限のない訴訟担当部署を相手にした方が、回収額が大きくなる可能性が高くなるということです。

また、過払い金はその全額に年5%の利息をつけて請求することができます。裁判を起こした場合には過払い金に利息をつけた金額で判決が出るケースも多く、回収額が大きくなる傾向にあるのです。

自分で裁判をおこなうと低くなる可能性はある

過払い金請求の裁判は、自分でも提起することができます。しかし、貸金業者は相手が個人の場合には強気な姿勢を崩さない場合があります。

そのため、司法書士や弁護士などの専門家に訴訟を依頼する場合と比べて、回収できる金額が少なくなってしまう可能性があります。貸金業者との和解が一度成立してしまうと、和解内容を変更できません。

自分で訴訟を提起したものの、提示された金額に満足できない場合は、和解が成立する前に専門家に相談することをおすすめします。

司法書士法人杉山事務所では、自分で手続きをおこなっている途中からでも無料で相談に応じておりますので、お気軽にご連絡ください。

過払い金請求で裁判した場合と話し合いの場合の比較

過払い金請求を裁判で解決する場合と、話し合いで解決する場合では、戻ってくる金額や、手続きにかかる期間などに差が生じます。細かい違いは以下の通りです。

話し合いで解決 裁判で解決
戻ってくる金額 過払い金の約50%~90% 過払い金の100%+利息
手続きにかかる期間 約2ヵ月~5ヵ月 約4ヵ月~7ヵ月
利息請求の有無 あり あり
裁判所への個人情報の提出 なし あり(住所や氏名など)
裁判所への出廷 なし あり ※1
裁判所とのやり取り なし あり ※2
税務署への申告 なし 申告が必要な場合もある ※3

※1、※2:司法書士や弁護士に依頼した場合には、本人が出廷する必要はありません。
※3:利息を20万円以上受け取った場合は申告が必要です。

2020年現在、話し合いのみで過払い金全額を返還してくれる可能性はあまり高くありません。話し合いのみで解決する場合、貸金業者は平均すると発生した過払い金の約50%~70%の金額を提示してきます。

一方、裁判を起こした場合には、過払い金が100%戻ってくるだけではなく、過払い利息まで戻ってくる可能性があります。以前と比べると、裁判を起こした場合でも解決するまでの時間が短くなってきています。

しかし、それでも裁判を起こすことで、話し合いのみで解決する場合と比べると、解決するまでには多少の時間がかかります。司法書士や弁護士などの専門家に依頼した場合、裁判所へ出廷する必要や、裁判所とのやり取りを本人がおこなう必要はありません。

個人でも過払い金請求を裁判所に提訴できますが、専門家に任せた方がスムーズに話が進む可能性が高くなります。司法書士法人杉山事務所では、無料で相談に応じておりますので、まずは、お気軽にご連絡ください。

過払い金請求の裁判の流れ

過払い金請求を裁判所に対して提訴する場合、次のような流れで進みます。

なお、司法書士や弁護士に依頼した場合は上記の手続きの一切をおこなってくれるため、裁判所に出廷する必要もなくそれほど労力はかかりません。

1.訴状を裁判所に提出(訴訟する)

裁判所に提訴する場合、必要書類を管轄の裁判所へ提出します。管轄の裁判所とは請求者(原告)の住所地のある裁判所のことで、個人であれば居住地、法人であれば本店所在地の土地管轄の裁判所に、過払い金の元金が140万円以上の場合は地方裁判所、140万円未満の場合は簡易裁判所に対して訴訟を提起します。(ただし、原告の都合で住所地で裁判をしたくないという要望があった場合には、別の場所で裁判をおこなうことも可能です。)

裁判所に訴状を提出すると、その場で必要な書類がすべてそろっているか確認され、不備がなければ受理してもらえます。その後、裁判所から1回目の裁判日程について連絡があります。

裁判所にもよりますが、通常は訴状を提出してから1ヵ月半から2ヵ月後くらいに第1回目の裁判日が設定されます。この裁判日程のことを口頭弁論期日(または期日)と言います。

第1回口頭弁論期日は、原告側の都合のみで決まります。そのため、被告(貸金業者)の都合がつかなかった場合は、答弁書を提出していれば欠席できます。

第1回口頭弁論期日が決定後、訴状一式が裁判所から被告へ郵送されます。なお、第1回口頭弁論期日の前に、被告から答弁書(貸金業者の主張・反論)が届きます。

このとき、被告から答弁書が提出されず、かつ第1回期日を被告が欠席した場合、訴状の内容が100%認められます。

裁判所に提訴する際の必要書類

以下の書類を「裁判所用」と「貸金業者(被告)用」さらに「自分の控え用」の合計3セット用意しましょう。

訴状

原告(裁判を起こした本人)と被告人(貸金業者)、訴訟の金額(過払い金額)や訴訟の趣旨などを記載した訴状を作成します。形式の指定はありませんが、A4サイズでWordやExcelで作成することが多いです。

証拠説明書

証拠書類として提出する書面がなぜ提出する必要があるのかなどを記載した証拠説明書も合わせて作成します。証拠説明書は単独で作成されることもありますが、引き直し計算書に直接証拠書面として添付する理由を記載する場合もあります。

取引履歴

取引履歴には借り入れしたときから最後の取り引き(借り入れまたは返済、完済した取り引き)までの借入額や利息、返済日、返済額などすべての履歴が記載されています。

貸金業者は開示の請求があれば開示しなければいけない義務があるため、請求をすることで開示してくれます。お客様センターなどに連絡することで1週間〜1ヶ月程度で開示してくれますが、その際に1,000円程度の手数料がかかることもあります。

取引履歴には基本的にすべての取り引きが記載されていますが、貸金業者の保管期間である10年以上前の古い取り引きが含まれていた場合は削除されていることもあります。その場合は推定計算をする必要があるため、一度専門家に相談してください。

引き直し計算書

取引履歴に記載の利息や返済金などを参考に、本来返済すべき金額を算出し(引き直し計算)正しい金額及び払いすぎた金額(過払い金)を記載した書面を作成します。

引き直し計算は専用の無料ソフトで計算することができますが、借り入れと返済を繰り返している場合や取引履歴が途中からの場合などは、計算が複雑になる可能性があります。

貸金業者は1円でも相違していた場合は対応してくれないこともあるので、過払い金の計算は専門家に依頼することをおすすめします。

過払い請求をする貸金業者の登記簿謄本

貸金業者の会社情報が記載された登記簿謄本は法務局で取得することができます。どこの法務局でも取得することができ、また郵送でも取り寄せることができます。

登記簿謄本は1通600円で取得できますが、郵送の場合は別途郵送費がかかります。また、謄本を取り寄せる際に本店の住所が必要になるため、あらかじめ調べておくとスムーズに取得できます。

2.第1回口頭弁論日(裁判日)

裁判日には、裁判所で訴訟当事者が主張や立証をおこないます。しかし、裁判を起こしたからといって必ずしも判決が出るまで裁判がおこなわれるわけではなく、途中で話がまとまり、和解できるケースも多くあります。

そのため、期日が何回実施されるかは裁判官の裁量によります。1回目の期日で弁論が終結して判決が言い渡される場合もありますし、弁論が終結まで何回も期日を実施する場合もあります。

司法書士や弁護士などの専門家に依頼している場合は、専門家が出廷するため、通常は請求者本人が裁判所に行く必要はありません。

3.判決

和解もしくは判決が言い渡されるまでは、およそ月に1回のペースで裁判が開かれます。各期日において、主張や反論を繰り返し、ある程度の主張や反論がされた時点で、裁判所が和解を勧告します。

裁判中の和解交渉は、話し合いでの交渉のときよりも過払い金を多くしたり、支払期限を早く設定したりするような和解案を提示してくるため、満足できる過払い金が返ってくる場合もあります。判決が出るまで裁判を続けるのか、和解するのかについては、自分で判断できます。

和解交渉がまとまらなかった場合は、裁判所が判決を言い渡します。その後、和解した場合は約2ヵ月から4ヵ月ほどで、判決が出た場合には判決に基づいて過払い金が戻ってきます。

なお、貸金業者が支払いに応じない場合は、強制執行の手続きが必要になることもあります。また、判決に至った場合、判決内容に不服があったときには控訴できます。

過払い金請求の裁判においての争点

過払い金請求の裁判で貸金業者と争う事柄(争点)はいくつかのポイントがあり、この争点を抑えておくことで、裁判が長引くことや、貸金業者の主張が認められて納得のいく過払い金を取り戻せなくなるような事態を防ぐことができます。

主な争点となるポイントは次の4つです。

  1. 取引は「一連の取引」なのか「分断した取引」なのか
  2. 悪意の受益者なのか
  3. 過払い金請求の時効について
  4. 期限の利益損失と遅延損害金の利率の主張について

1.取引は「一連の取引」なのか「分断した取引」なのか

貸金業者から借り入れをし、一度完済したあとにしばらくしてから再度同じ業者から借り入れすることがあります。このような場合、完済前の取引と再開後の取引を「一連の取引」としてみなすのか、それとも「分断された取引」としてみなすのかが大きく争われます。

「一連の取引」とみなされた場合、完済される前の取引分の過払い金も請求することができるため、高額な過払い金の回収が見込めますが、「分断された取引」とみなされた場合、時効が成立している完済した分の借り入れにかかる過払い金請求はできず、再度借り入れをした分のみの請求になるため、回収できる過払い金額が少なくなります。

「一連」であるか「分断」であるかは、一般的には完済から次の借り入れまでの空白期間や、それぞれの借り入れの契約内容に違いがないかどうかにより判断されます。しかし、個々の借り入れ状況や貸金業者によって違うため、判断することがむずかしく、裁判所の判決によって決定されるケースが少なくありません。

また、万が一「分断の取り引き」と判断された場合には、完済した取り引きについては時効の起算がされ、10年経つと過払い金請求ができなくなります。借り入れと返済を繰り返している取引がある場合には一度、早めに専門家に相談してみることをおすすめします。

一連の取り引きと分断の取り引きについて

2.悪意の受益者なのか

民法では、「悪意の受益者はその受けた利益に利息を付して返還しなければならない」(民法第704条)と規定しています。この場合の「悪意」とは、「知っている」ということを指しています。

つまり、貸金業者が利息制限法を上回る金利を受け取った際に、受け取ってはいけないことを知っていたかどうかが、裁判の争点になります。もし貸金業者が悪意の受益者であった場合は利息(過払い金に付される利息は5%)をプラスして返金しなければなりません。

これに対し、貸金業者は「貸金業法で定められた金利のため、いわゆるグレーゾーン金利であってもその適用を受けられると信じていた」と主張してきます。

しかし、最高裁平成19年7月17日判決において、貸金業者は「悪意の受益者」であると推定されるとされ、この判決により原則として貸金業者は悪意の受益者と判断され、5%の利息をつけた過払い金の返還をしなければいけないことになっています。

3.過払い金請求の時効について

過払い金が発生している場合には、返還するように求める権利があります。ただし、この権利には時効があります。

時効とは、行使できる権利を行使しなかった場合、定められた期間が経過したあと、その権利を行使できなくなってしまうことをいい、過払い金請求の場合は「最後の取引き日」を起算日として、10年で時効が成立します。

最終取引き日については、貸金業者から取引履歴を取り寄せることで正確な日付を知ることができます。時効が成立してしまった場合、過払い金が発生していても取り戻すことはできませんので、10年近く前に借り入れをしたことがある方は一度調べてみることをおすすめします。

司法書士法人杉山事務所では、時効までの期間も無料でお調べすることができますのでお気軽にご連絡ください。

4.期限の利益損失と遅延損害金の利率の主張について

過払い金請求の裁判では、貸金業者が「期限の利益喪失」を主張してくる場合があります。期限の利益とは、一定の期限がくるまで支払いを待ってもらえる権利のことです。

たとえば貸金業者にお金を借りた場合、返済は約1ヶ月後に返済が始まりますが、逆をいうと借りてから約1ヶ月間後の返済期限までは貸金業者は返済を待ってくれます。一般的に貸金業者と契約する際には、借主が返済期限までに返済しなかった場合、期限の利益を喪失し、残額を一括請求できる旨が規定されています。

借主が返済期限までに返済できず、期限の利益喪失が認められた場合、過払い金請求が認められず、さらに借金の一括返済を求められる可能性もあります。

さらに、遅延損害利率で過払い金を再計算(引き直し計算)をするように貸金業者が主張してくる場合もあります。遅延損害利率とは、返済に滞納や延滞があった場合、貸し付けた金利の1.46倍の利率で計算しなおして借主に請求できるというものです。

期限の利益喪失に当たるかどうかは、貸金業者の対応により異なります。そのため、長期にわたって返済を延滞していたり、遅延していたりする場合には注意が必要です。

裁判をした場合の過払い金が戻ってくるまでの期間

過払い金請求をする場合、まずは貸金業者に対して取引履歴の開示請求をおこないます。貸金業者は開示の請求があった場合には開示しなければいけないという義務があるため、通常1~2週間程度で開示がなされます。

その後、取引履歴をもとに引き直し計算をして過払い金がいくら発生しているかを確認し、過払い金を明確にしたの、貸金業者に対して過払い金請求をおこない交渉を開始します。和解が成立した場合には、過払い金を請求してから返還されるまでに早くて2ヵ月から3ヵ月かかります。

さらにここから、お互いが納得できずに和解できなかった場合には、裁判所で争うことになります。裁判で争った場合、訴訟を提起してから過払い金が返還されるまでにかかる期間は、平均すると半年から1年ほどです。

ただし、訴訟を提起後、早期に和解することもあり、その場合は1年かからずに過払い金が返還されます。

自分で過払い金請求をすると時間がかかる

過払い金の請求は個人でおこなうことができるため、話し合いで和解できなかった場合は裁判を起こすこともできます。ただし、司法書士や弁護士などの専門家に依頼した場合よりも、さらに時間がかかる可能性があります。

まず、取引履歴を請求した際に司法書士などの専門家を優先するため、個人からの請求が後回しにされることがあります。また、過払い金請求をするために必要な引き直し計算は、取引業者が多い場合や、取引期間が長かった場合は、それだけ作業量も増えるため時間がかかります。

頻繁に借り換えを繰り返していたなど取引内容が複雑な場合、引き直し計算も複雑になりますが、計算で一円でも相違があった場合には過払い金請求ができなくなってしまう可能性もあります。さらに、知識がないまま貸金業者と交渉することで、過払い金を減額されたり過払い金請求を断られたりなどのリスクを伴います。

交渉においての妥協点がわからずに、交渉が長引いてしまい、それでも提示された和解案に納得できなかった場合には、裁判所へ訴訟を提起しますが、裁判に必要な書類を自分で作成・用意するのは、法的な知識がない場合には時間も労力もかかります。裁判をおこなったからといって、必ずしも納得のいく結果になるとは限りません。

自分でおこなう場合と専門家に依頼する場合の比較

返還期間 返還率
自分でおこなう 6ヶ月~1年 40%~70%
専門家に依頼する 2ヶ月~6ヶ月 90%~

特に裁判にまで発展した場合には、返還率は高くなりますが話し合いで和解するよりも長い時間がかかる可能性があります。

過払い金請求で裁判をした場合にかかる費用

過払い金請求で裁判する場合にかかる費用としては、以下のものがあります。

専門家に依頼した場合には、上記にプラスして成功報酬や基本報酬などがかかり、金額は事務所によって異なります。

印紙代

裁判を起こす場合、裁判所へ手数料として印紙を納付する必要があり、金額は請求する過払い金の額によって変わります。

請求する額が100万円以下の場合には、10万円ごとに1,000円の申立て手数料(印紙代)が必要です。100万1円~500万円までは20万円ごとに1,000円、500万1円~1,000万円までは50万円ごとに2,000円が必要になります。

印紙代は過払い金額が大きくなればなるほど、印紙代が少しずつ多くなり、一般的には請求する過払い金は20万円から100万円以下の場合が多いため、収入印紙代は1万円以下に収まります。

予納郵券

訴状の副本(コピー)は、裁判所から貸金業者へ郵送されます。その際の郵送費用は、いったん原告が負担する必要があり、この郵送費用を予納郵券として訴訟を提訴する際に裁判所に納めます。

予納郵券が余った場合には、裁判が終了後に返還され、裁判に勝った場合には貸金業者へ請求することができます。郵便切手代は裁判所によって異なりますが、貸金業者1社に対して裁判をする場合には約6,000円かかります。

なお、貸金業者が1社増えるごとに、納める郵便切手代も増えていきます。

証明書発行手数料

裁判を起こす相手方が企業の場合には「代表者事項証明書」を提出することが求められています。これは、訴訟の対象となる相手方が本当に実在するのかなどを確認する意味合いがあります。

代表者事項証明書は、最寄りの法務局から1通につき600円で取得できます。なお、別途郵送料がかかりますが、郵送で取り寄せることも可能です。

交通費

過払い金請求の裁判は、基本的に請求者側の住所地を管轄する裁判所に対して訴訟を提起します。提起後、約1ヵ月半から2ヵ月の間に、第1回目の口頭弁論期日が開かれます。

そして、和解もしくは、判決が言い渡されるまで月に1回ほどのペースで裁判所に出廷する必要があります。

個人で裁判をおこなう場合はもちろん、司法書士や弁護士などの専門家に依頼した場合でも、裁判所までの往復の交通費が必要です。

訴訟報酬

過払い金請求の裁判を、司法書士や弁護士などの専門家に依頼した場合、相談料や着手金、解決報酬、成功報酬などの他に別途訴訟報酬がかかることがあります。

ただし、多くの事務所は裁判を起こした場合は成功報酬を5~10%多く上乗せしており、別途での請求はしない所がほとんどです。

裁判をした場合にいくら依頼料がかかるのかについては、過払い金請求の手続きをする前に確認しておくようにしましょう。

過払い金請求の裁判をすることでのデメリットは基本的にない

裁判をすることでブラックリストに載ってしまったり、会社や身内に知られたり、クレジットカードが止まることもなく、前科がついたり、何かに記録が残ったりするリスクもありません。

裁判を起こす際に注意が必要なことは主に次の2つです。

  1. 自分で裁判をおこなう場合は手間がかかる
  2. 本人に連絡がきてしまう貸金業者に注意

自分で裁判をおこなう場合は手間がかかる

過払い金請求の裁判は、個人でおこなうことも可能です。ただし、個人でおこなう場合には、それなりに手間も時間もかける覚悟が必要です。裁判所に提出する書類を用意する際に、法的な知識が乏しい場合にはかなりの時間を要します。

また、貸金業者は過払い金の請求に関する法的な知識があり経験も豊富です。当然のことながら、貸金業者は過払い金を少しでも減額しようとして交渉してきます。

そのため、相手のペースに乗せられて、予定よりも安い金額で和解させられてしまう場合や、妥協点がわからずに裁判が長引いてしまう場合もあります。

「専門家に任せればよかった」という事態になる前に、まずは、司法書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

本人に連絡がきてしまう貸金業者に注意

過払い金請求の裁判を司法書士や弁護士などの専門家に依頼した場合、通常は司法書士などの代理人が裁判所や貸金業者とのやり取りし、書類なども代理人事務所宛てに届きますから、裁判を起こしたとしても基本的には家族や周囲の人間に知られてしまうリスクはありません。

ただし、アイフルやライフカードなどの一部の貸金業者は、過払い金請求の裁判が起こされた場合、債務不存在確認訴訟を提起したり、過払い金について話し合いたいという内容の調停を申し立てたりする場合があります。

債務不存在確認訴訟とは、「過払い金は〇円以上存在しないことを確認」するための訴訟です。この場合、新たに提訴された債務不存在確認訴訟や申し立てられた調停は、先に提訴した過払い金請求とは別の手続きとして扱われます。

そのため、裁判所からの連絡が代理人事務所宛てではなく、個人へ直接届いてしまうリスクが発生してしまいます。過払い金についてご家族がご存じの場合は特に問題はありませんが、ご家族に内緒で手続きをしている場合には注意が必要です。

裁判をして多くの過払い金を回収したいなら杉山事務所に相談

過払い金請求は、話し合い(和解)で解決するよりも裁判をした方が多くの過払い金を回収できます。裁判は自分でおこなうこともできますが、書類の作成や出廷しなければいけない手間や1年近くの時間もかかり、さらに交渉スキルや専門的な知識も必要です。

また、貸金業者は過払い金請求に対して、経験も知識も豊富ですから有利に進められないこともあります。司法書士や弁護士などの専門家に相談することで、その状況に応じた適切なアドバイスを受けることができ、さらに有利な条件で裁判を進めることができます。

司法書士法人杉山事務所では過払い金に対する実績があり、多くの裁判もおこなってきています。無料で相談に応じておりますので、お気軽にご連絡ください。

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