17条書面(じゅーななじょうしょめん)とは?

17条書面とは、貸金業法第17条に基づいて、貸金業者が貸付契約を締結した際に借り手に交付しなければならない契約内容を明記した書面のことです。

この書面は、借り手の権利を保護し、貸付契約の透明性を確保するために重要な役割を果たしています。

17条書面の基本概念

定義 貸金業者が貸付契約締結時に交付する契約内容明記書面
目的 借り手の権利保護と貸付契約の透明性確保
法的根拠 貸金業法第17条

17条書面の交付義務

交付タイミング 貸付契約締結後、遅滞なく
対象契約 個別の貸付契約(極度方式基本契約がある場合は、それに基づく個々の貸付契約)
交付方法 貸金業施行規則で定める方法による

17条書面に記載すべき主な事項

貸付業者情報 商号、住所、登録番号など
契約年月日 貸付契約を締結した日付
貸付金額 借入金額
返済方法 返済回数、1回当たりの返済金額、返済期間など
利息 利率、利息の計算方法
遅延損害金 遅延損害金の利率、計算方法
担保 担保がある場合はその内容

17条書面の重要性

  • 契約内容の明確化による借り手の権利保護
  • 貸金業者の不当な貸付行為の抑制
  • 金利や返済条件の透明性確保
  • 借り手の契約内容理解促進
  • 将来の紛争予防

債務整理における17条書面について

債務整理時の活用 借入状況の正確な把握に役立つ
過払い金請求 適法な金利で再計算する際の基礎資料となる
違法性の確認 貸金業法違反の有無を確認する際の証拠となる
交渉材料 債権者との交渉時に契約内容を確認する資料として使用

17条書面に関する注意点

保管の重要性 将来の債務整理や紛争解決に備えて大切に保管する
内容の確認 受け取った際に記載内容を必ず確認する
不交付・不備の場合 貸金業者に交付を求める、または専門家に相談する
電磁的方法での交付 借り手の承諾があれば電子メールなどでの交付も可能

17条書面と他の法定書面との関係

18条書面 貸付の際の受取証書(17条書面と同時に交付されることが多い)
16条書面 契約締結前の書面(17条書面の前に交付される)
取引履歴明細 過去の取引履歴を示す書面(交付義務は別途規定)

17条書面に関する重要ポイント

書面の保管
  • 将来の債務整理や紛争解決に備えて大切に保管する
  • 紛失した場合は貸金業者に再発行を依頼できる
内容の確認
  • 受け取った際に記載内容を必ず確認する
  • 不備がある場合は貸金業者に確認・訂正を求める
不交付の影響
  • 契約自体の有効性には直接影響しない
  • 貸金業者が行政処分の対象となる可能性がある
電子交付
  • 借り手の承諾があれば電子メールなどでの交付も可能
  • 電子交付でも法的効力は紙の書面と同等

17条書面についてのよくある質問

17条書面を紛失した場合でも、貸金業者に再発行を依頼することが可能です。

将来の債務整理や過払い金請求の際に重要な書類となりますので、紛失に気づいた場合は、速やかに貸金業者に再発行を依頼することをおすすめします。

なお、再発行には手数料がかかる場合もありますので、受け取った際は大切に保管するようにしましょう。

はい、借り手の承諾があれば、電子メールなどの電磁的方法による17条書面の交付も法的に有効です。

電子交付された書面も、紙の書面と同等の法的効力を持ちます。ただし、電子交付を受ける場合は、データを適切に保存し、必要なときにすぐに確認できるようにしておくことが重要です。

また、電子メールアドレスの変更時には貸金業者に必ず連絡するようにしましょう。

17条書面の不交付自体は、直接的に契約の無効原因とはなりません。ただし、貸金業法違反となるため、貸金業者が行政処分の対象となる可能性があります。

また、書面の不交付は借り手の権利を著しく侵害する行為となりますので、書面を受け取っていない場合は、速やかに貸金業者に交付を求めるか、法律の専門家に相談することをおすすめします。

17条書面は借り手の権利を守る重要な書類です。貸付契約に関する疑問や、17条書面の内容について不明な点がある場合は、杉山事務所にご相談ください。

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