元金・元本(がんきん・がんぽん)とは?

元金(元本)とは、借入れをした際の基本となる金額のことです。債務整理や返済計画を考える上で、最も重要な概念の一つとなります。

多くの借入れでは、この元金に対して利息が発生し、返済は元金と利息の両方を行うことになります。元金の理解は債務問題を解決する第一歩です。

元金・元本の基本概念

元金(元本)とは、借入れた際のもともとの金額を指します。ローンやクレジットカード、消費者金融などからの借入れ全てにおいて、この元金という概念が存在します。

債権者に返済すべき基本的な金額であり、これに利息などが加わって総返済額が構成されます。

定義 借入れをした際の基本となる金額
重要性 返済計画の基本となり、利息計算の基準となる
別称 「元金」と「元本」は同じ意味で使用されることが多い

元金と元本は同じ意味で使われることが多いですが、金融機関によっては使い分けている場合もあります。債務整理の相談時には、どちらの用語でも専門家は理解してくれます。

元金・元本と利息の関係

借入れを行うと、元金に対して利息が発生します。利息は元金を使用する対価として支払うものです。

債務整理の相談では、元金と利息の区別を明確にすることが重要です。特に過払い金請求では、この区別が請求額に大きく影響します。

利息の計算方法 元金 × 金利 × 期間 = 利息
返済の構成 毎月の返済額は「元金の返済分」と「利息の支払い分」に分かれる
元金と利息の関係 元金が減少すると、それに比例して発生する利息も減少する

返済を続けると元金が減少し、それに伴って支払う利息も減っていきます。しかし、返済方法によっては元金の減少ペースが異なるため注意が必要です。

債務整理における元金の扱い

債務整理では、元金の扱いが手続き種類によって大きく異なります。任意整理や特定調停では元金自体を減額できる場合もありますが、その可否は債権者との交渉次第です。

任意整理での扱い
  • 将来利息のカットが基本
  • 場合によっては元金の一部減額も交渉可能
  • 遅延損害金の減免も交渉対象
個人再生での扱い
  • 原則として元金の大幅な減額が可能(最大で約5分の1まで)
  • 住宅ローン特則を利用した場合、住宅ローンの元金は減額対象外
自己破産での扱い
  • 原則として元金を含む債務全額の支払義務が免除される
  • 住宅ローンなどの担保付き債務は例外となる場合がある

債務整理手続きを選ぶ際には、元金の減額可能性を考慮することが重要です。ご自身の状況に最適な手続きを選ぶため、専門家への相談をおすすめします。

返済方式による元金の減り方

借入れの返済方式によって、元金の減少ペースは大きく異なります。主な返済方式には「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類があります。

元金均等返済
  • 毎回の返済で一定額の元金を返済する方式
  • 返済初期は返済額が多いが、徐々に返済額が減少する
  • トータルの支払利息が元利均等返済より少なくなる傾向がある
元利均等返済
  • 毎回の返済額(元金+利息)が一定になる返済方式
  • 返済初期は利息の割合が大きく、元金の減りが遅い
  • 返済後期になるほど元金の返済割合が大きくなる
  • 住宅ローンなど長期の借入れで多く採用されている

元利均等返済では、返済初期に元金があまり減らないため、債務整理を検討する場合はこの点を考慮する必要があります。特に借入れ期間が長い場合、この影響は大きくなります。

元金に関する重要な注意点

債務問題を抱えている方は、元金に関して以下の点に特に注意が必要です。これらを理解することで、より効果的な債務整理が可能になります。

  1. 多重債務の場合、各債務の元金を正確に把握することが第一歩です。
  2. 金利が高い債務ほど、元金の減少が遅くなる傾向があります。
  3. リボ払いは元金の返済割合が少なく、完済までに時間がかかります。
  4. 繰上返済は元金を直接減らすため、総返済額の削減に効果的です。
  5. 債務整理の際は、元金と利息・遅延損害金を区別して把握しましょう。

特にリボ払いやカードローンでは、毎月の返済額に占める元金返済の割合が少ないため、返済が長期化しやすい点に注意が必要です。債務問題が深刻化する前に専門家への相談をおすすめします。

よくある質問

一般的に、総返済額で考えると元金均等返済の方がお得です。元金の減少が早いため、発生する利息の総額が少なくなります。

ただし、元金均等返済は返済初期の負担が大きいため、毎月の返済能力に余裕がない場合は元利均等返済の方が現実的な選択肢となることもあります。

どちらが適しているかは、ご自身の収入状況や返済計画によって異なりますので、専門家にご相談ください。

債務整理の種類によって元金の扱いは異なります。任意整理では原則として元金は減額されませんが、将来利息はカットされます。

個人再生では、収入や財産状況に応じて元金を大幅に減額できる可能性があります(最大で約5分の1程度まで)。

自己破産の場合は、免責許可が出れば元金を含む債務全額の支払義務が免除されます。ただし、税金や養育費など免責されない債務もあります。

繰上返済は基本的に元金に充当されます。これにより、その後の利息計算の基となる元金が減少するため、総返済額を効果的に減らすことができます。

繰上返済には、毎月の返済額を減らす方法(返済額軽減型)と返済期間を短縮する方法(期間短縮型)があります。どちらを選択するかは、ご自身の状況に応じて決めるとよいでしょう。

多重債務の場合は、金利の高い債務から優先的に繰上返済することで、より効果的に総返済額を減らせます。

まとめ

元金(元本)は、借入れにおける基本的な金額であり、債務整理を考える上で最も重要な概念の一つです。元金に対して利息が発生し、返済では元金と利息の両方を支払うことになります。

債務整理の種類によって元金の扱いは大きく異なります。任意整理では主に将来利息のカットが中心ですが、個人再生では元金自体の大幅な減額が可能です。自己破産では元金を含む債務全体の免除を受けられる可能性があります。

また、返済方式によって元金の減少ペースは異なります。元金均等返済は総支払額が少なくなる傾向がありますが、返済初期の負担が大きくなります。一方、元利均等返済は毎月の返済額が一定ですが、返済初期は元金の減少が遅くなります。

債務問題を抱えている方は、各債務の元金を正確に把握し、適切な債務整理の方法を検討することが大切です。不安や疑問点がある場合は、杉山事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。専門家が最適な解決策をご提案いたします。

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