保証債務(ほしょうさいむ)とは?
これは主たる債務者が債務を履行できない場合に、保証人が代わりに弁済する義務を負うものです。
保証債務の基本概念
定義 | 保証人が負う、主たる債務者の債務を保証する債務 |
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性質 | 主たる債務に付随する従属的な債務 |
法的根拠 | 民法第446条以下 |
保証債務の特徴
附従性 | 主たる債務の存在に依存する |
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補充性 | 原則として主たる債務者が支払えない場合に負担する |
随伴性 | 主たる債務の移転に伴い保証債務も移転する |
最高額の定め | 個人保証の場合、極度額(最高限度額)の定めが必要 |
保証債務の種類
普通保証 | 主たる債務者に請求してから保証人に請求する形式 |
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連帯保証 | 主たる債務者と保証人が連帯して責任を負う形式 |
根保証 | 一定の範囲内で継続的に発生する債務を保証する形式 |
保証債務と債務整理の関係
主債務者の自己破産 | 保証人への請求が強まる可能性がある |
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保証人の債務整理 | 保証債務も債務整理の対象となり得る |
求償権 | 保証人が弁済した場合、主債務者に求償できる |
保証債務に関する注意点
責任の重大性 | 保証人は主債務者と同等の責任を負う可能性がある |
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経済的リスク | 主債務者の返済能力低下により予期せぬ負担が生じる可能性 |
期間の考慮 | 長期の保証は将来の経済状況の変化によるリスクがある |
書面による契約 | 保証契約は原則として書面で行う必要がある |
保証人の権利
保証債務の消滅
主たる債務の消滅 | 主たる債務が弁済等で消滅すると保証債務も消滅 |
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保証契約の解除 | 債権者の同意を得て保証契約を解除 |
時効 | 保証債務自体の消滅時効(原則10年) |
法定事由 | 債権者の保証人に対する義務違反など |
保証債務についてのよくある質問
連帯保証人の場合、債権者は主債務者に請求することなく、直接保証人に請求することができます。
これは普通保証人が持っている「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」が連帯保証人にはないためです。
そのため、連帯保証人は主債務者と同等の立場で支払い義務を負うことになります。このことから、連帯保証人になる際は特に慎重な判断が必要です。
保証人が債務を支払った場合、主債務者に対して求償権を行使することができます。これは、保証人が支払った金額に加え、その利息や損害金なども請求できる権利です。
ただし、主債務者に資力がない場合は実質的な回収が困難になる可能性があります。また、求償権の行使には期限があるため、支払い後は速やかに主債務者への請求手続きを検討することが重要です。
主債務者が自己破産しても、保証債務は消滅しません。むしろ、主債務者が免責許可決定を受けた場合、債権者からの請求は保証人に集中する可能性が高くなります。
このような場合、保証人自身も返済が困難であれば、債務整理(任意整理、個人再生、自己破産など)を検討する必要があります。早めに法律の専門家に相談し、適切な対応を取ることが重要です。
保証債務は、他人の債務を保証するという重大な責任を伴うものです。保証人になる際は、その責任の重さと潜在的なリスクを十分に理解することが重要です。
また、主たる債務者が債務整理を行う場合、保証人への影響も考慮する必要があります。保証債務に関する問題や、債務整理に伴う保証債務の取り扱いでお悩みの方は、お気軽に杉山事務所にご相談ください。
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