甲号証(こうごうしょう)とは?
甲号証とは、民事裁判において原告側が提出する証拠のことを指します。
債務整理に関連する訴訟、特に過払い金返還請求訴訟や債務不存在確認訴訟などで重要な役割を果たします。
これらの証拠は、原告の主張を裏付け、裁判所の判断に大きな影響を与える可能性があります。
甲号証の基本概念
定義 | 民事裁判で原告側が提出する証拠 |
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対義語 | 乙号証(おつごうしょう):被告側が提出する証拠 |
表記方法 | 甲1、甲2、甲3…と番号を付けて管理 |
債務整理関連訴訟における甲号証の例
過払い金返還請求訴訟 |
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債務不存在確認訴訟 |
甲号証の重要性
主張の裏付け | 原告の主張を客観的に証明する役割 |
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裁判所の判断材料 | 裁判所が事実認定を行う上での重要な根拠となる |
反証の対象 | 被告側が反論する際の対象となる |
和解交渉の材料 | 裁判外の和解交渉においても有効な材料となる |
甲号証の準備と提出
- 関連する全ての証拠を収集・整理する
- 証拠の信頼性と関連性を確認する
- 証拠に番号を付けて管理する(甲1、甲2、甲3…)
- 証拠説明書を作成し、各証拠の概要を説明する
- 裁判所に提出する際は、相手方の数分の写しを用意する
甲号証を準備する際の注意点
関連性 | 主張と直接関係のある証拠を選択する |
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信頼性 | 信頼できる出所からの証拠を使用する |
個人情報保護 | 必要に応じて個人情報をマスキングする |
原本の確保 | 可能な限り原本を用意し、コピーの場合はその旨を明記する |
甲号証の効果的な活用方法
証拠の選別 | 最も説得力のある証拠を厳選して提出する |
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証拠の補強 | 複数の証拠を組み合わせて主張を強化する |
証拠の解説 | 証拠説明書で各証拠の意義を明確に説明する |
タイミング | 適切なタイミングで証拠を提出し、最大の効果を狙う |
甲号証と乙号証の比較
提出者 |
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目的 |
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番号付け |
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甲号証についてのよくある質問
必ずしも原本である必要はありません。コピーでの提出も可能ですが、その場合は原本の存在を証明できる状態にしておく必要があります。
ただし、裁判所から原本の提示を求められる場合もありますので、重要な証拠については原本を確保しておくことが望ましいです。また、コピーを提出する場合は、その旨を証拠説明書に明記する必要があります。
原則として、一度提出した甲号証の差し替えは認められません。ただし、明らかな誤りがある場合や、より適切な証拠が新たに見つかった場合には、裁判所の許可を得て差し替えることが可能な場合があります。
そのため、証拠を提出する前に内容を十分確認し、適切に整理しておくことが重要です。新たな証拠を追加する場合は、新しい番号を付けて提出することになります。
訴訟に直接関係のない第三者の個人情報や、訴訟に不要な個人情報については、マスキング(黒塗り)処理を施して提出するのが一般的です。
ただし、訴訟の争点に関係する情報については、マスキングせずに提出する必要があります。個人情報の取り扱いについて不安がある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
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