裁判上の請求(さいばんじょうのせいきゅう)とは?

裁判上の請求とは、債務整理において時効の管理や権利の確定に関わる重要な法的手続きです。

裁判上の請求の基本概念

定義 時効の利益を得る者に対して、時効の更新を主張する者が行う訴えの提起
目的 時効の完成猶予と更新
法的根拠 民法147条、153条

裁判上の請求の種類

給付訴訟 相手方に一定の給付を命じることを求める訴訟
確認訴訟 権利関係の存在または不存在の確認を求める訴訟
形成訴訟 新たな権利関係の形成を求める訴訟
その他 本訴、反訴、再訴など

裁判上の請求の効果

時効の完成猶予 裁判手続きが終了するまでの間、時効の完成が猶予される
時効の更新 確定判決等により権利が確定した場合、手続き終了時点で時効が更新される
追加の猶予期間 権利が確定しないまま手続きが終了した場合、終了時から6ヶ月間の猶予期間が設けられる

裁判上の請求の効力範囲

当事者間 裁判上の請求をした者とその相手方の間でのみ効力が生じる
承継人 当事者の承継人にも効力が及ぶ

裁判上の請求と債務整理の関係

  • 債権者が債務者に対して行う訴訟提起により、債権の時効が中断される
  • 債務整理の過程で、債権の存在や金額を確定させるために利用される
  • 債務者が債権者に対して行う訴訟(例:過払金返還請求訴訟)も含まれる

裁判上の請求に準ずる行為

支払督促 債権者が裁判所に申し立てる簡易な債権回収手続き
破産手続きの参加 債権者が破産手続きに参加して債権を届け出ること
民事調停の申立て 裁判外での紛争解決手続きの一種

裁判上の請求における注意点

時効の管理 債権者は債権の時効を管理し、必要に応じて裁判上の請求を行う必要がある
法的手続きの理解 裁判上の請求は法的手続きを伴うため、専門家のアドバイスが重要
効力の範囲 裁判上の請求の効力は当事者と承継人に限定されることを理解する

債務整理における裁判上の請求の意義

  • 債権者にとっては債権の時効を防ぐ手段となる
  • 債務者にとっては債務の存在や金額を争う機会となる
  • 債権債務関係を法的に確定させる手段として機能する
  • 債務整理の交渉が難航した場合の最終手段となる可能性がある

裁判上の請求についてのよくある質問

必ずしも直接裁判所に出向く必要はありませんが、適切な対応は必要です。裁判所からの書類を無視すると欠席判決となり、不利な結果となる可能性があります。

まずは内容をよく確認し、必要に応じて法律の専門家に相談することをおすすめします。また、弁護士に委任することで、本人が直接裁判所に出向かなくても手続きを進めることができます。

裁判上の請求は正式な訴訟手続きであり、当事者双方の主張を詳しく審理するのに対し、支払督促は債権者の申立てのみに基づいて債務者に支払いを命じる簡易な手続きです。

支払督促は、債務者が異議を申し立てない場合にのみ確定しますが、異議が申し立てられると訴訟手続きに移行します。

ただし、時効の完成猶予と更新の効果については、両者とも同様の効力を持ちます。

債務整理中に裁判上の請求を受けた場合は、直ちに債務整理を担当している弁護士や司法書士に連絡してください。

債務整理の方法(任意整理、個人再生、自己破産など)によって対応が異なります。例えば、既に個人再生や自己破産の手続きが開始されている場合は、債権者による個別の裁判上の請求が制限される可能性があります。

専門家に相談することで、適切な対応を取ることができます。

裁判上の請求は債務整理において重要な法的手続きの一つです。債務整理に関連して裁判上の請求を検討されている方、または債権者から裁判上の請求を受けた方は、杉山事務所にご相談ください。

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