再生手続開始決定(さいせいてつづきかいしけってい)とは?
再生手続開始決定とは、民事再生手続において、債務者が申し立てた民事再生が法律で定められた要件を満たしていると裁判所が判断した場合に出される決定のことです。
この決定により、正式に民事再生手続が開始されます。
再生手続開始決定の基本概念
定義 | 民事再生手続を正式に開始する旨の裁判所の決定 |
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目的 | 債務者の再生と債権者の利益保護の両立 |
法的根拠 | 民事再生法 |
再生手続開始決定の要件
債務者の適格性 | 個人または法人であること |
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経済的要件 | 支払不能または支払不能のおそれがあること |
再生の見込み | 事業や経済生活の再生に相当の見込みがあること |
善意性 | 申立てが誠実であり、濫用的でないこと |
再生手続開始決定の効果
債権者への影響 | 個別的権利行使が制限される |
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債務者への影響 | 原則として事業の継続が認められる |
財産の管理 | 債務者が財産の管理処分権を保持(監督委員が監督) |
再生計画案の提出 | 債務者に再生計画案の作成・提出義務が生じる |
再生手続開始決定後の主な流れ
債権届出の期間の設定 | 債権者が債権を届け出る期間が定められる |
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財産評定 | 債務者の財産状況を明確にするための評価が行われる |
再生計画案の提出 | 債務者が再生計画案を作成し、裁判所に提出する |
債権者集会 | 再生計画案の説明や決議が行われる |
再生計画認可決定 | 裁判所が再生計画を認可する決定を行う |
再生手続開始決定の特徴
- 債務者が事業を継続しながら再建を図ることができる
- 債権者平等の原則に基づき、公平な債務の整理が可能
- 裁判所の監督下で手続が進行するため、透明性が高い
- 再生計画の認可により、債務の一部免除や返済期間の延長が可能
再生手続開始決定のメリット
- 事業継続が可能
- 債務の一部免除や返済条件の変更が可能
- 法的手続きによる債権者への対応の一本化
再生手続開始決定のデメリット
- 手続きが複雑で専門知識が必要
- 費用がかかる場合がある
- 信用面での影響が大きい
再生手続開始決定と他の債務整理手法との比較
任意整理 | 再生手続開始決定は裁判所の関与があり、法的拘束力が強い |
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特定調停 | 再生手続開始決定は債権者全体に効力が及ぶ点で異なる |
自己破産 | 再生手続開始決定は事業継続を前提とし、破産とは目的が異なる |
再生手続開始決定についてのよくある質問
はい、再生手続開始決定後も原則として事業や仕事を継続することができます。これは民事再生手続の大きな特徴の一つです。
ただし、裁判所により選任された監督委員の監督のもとで事業を行うことになり、一定の制限が課される場合があります。
通常の営業活動に関しては特に制限はありませんが、重要な財産の処分など、特別な行為には監督委員の許可が必要となります。
再生手続開始決定がなされると、債権者による個別の権利行使(請求、差押え、強制執行など)は原則として停止されます。
これは「包括的禁止命令」と呼ばれ、債務者の財産を保全し、再生手続を円滑に進めるために設けられた制度です。ただし、担保権者の権利行使については別途の手続きが必要となる場合があります。
また、再生手続開始前に既に開始されている強制執行などについては、債務者が中止を申し立てる必要があります。
一般的に、再生手続開始決定から再生計画認可まで約6ヶ月から1年程度かかります。この期間中には、債権の届出、財産評定、再生計画案の作成と提出、債権者集会の開催などの手続きが行われます。
ただし、具体的な期間は案件の複雑さや規模、債権者数などによって変動します。また、裁判所から提出期限が定められる書類もあるため、それらの期限を守りながら手続きを進める必要があります。
再生手続開始決定は、債務者の再生と債権者の利益保護を両立させる重要な法的手続きです。この手続きを検討されている方や、債務整理についてお悩みの方は、杉山事務所にご相談ください。
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