債務(さいむ)とは?

債務とは、法律上の概念で、ある人(債務者)が他の人に対して負う法的な義務のことを指します。

この義務には、一定の行為をすること、または特定の行為をしないこと(不作為)が含まれます。

債務整理では、主に金銭の支払いに関する義務を指すことが多いです。

債務の基本概念

定義 特定人(債務者)が他の特定人(債権者)に対して、一定の行為(給付)をすることを内容とする義務
対義語 債権(他人に対して何らかの行為を請求する権利)

債務の基本的な特徴

法的拘束力 債務は法律によって認められた義務であり、債務者はその履行を強制されることがあります。
双方向性 債務には必ず債権者(権利を持つ側)と債務者(義務を負う側)が存在します。
内容の多様性 金銭の支払いだけでなく、物の引き渡しや特定の行為の実行など、様々な形態があります。

債務の発生源

債務は様々な理由で発生します。主な発生源には以下のようなものがあります。

契約 最も一般的な債務の発生源です。ローン契約、賃貸契約、売買契約などが含まれます。
法律 法律の規定により直接的に発生する債務があります。例えば、税金の支払い義務などです。
不法行為 他人に損害を与えた場合に発生する損害賠償債務などが該当します。
事務管理 他人の事務を本人の意思に反しないで管理した場合に発生する債務です。
不当利得 法律上の原因なく利益を得た場合に、その返還義務として発生する債務です。

債務の具体例

金銭債務 借入金の返済、商品代金の支払いなど
給付債務 商品の引渡し、サービスの提供など
不作為債務 競業避止義務、秘密保持義務など

債務と債務整理の関係

  • 債務整理は、返済が困難になった債務を整理する手続き
  • 債務の種類や金額によって、適切な整理方法が異なる
  • 債務の正確な把握が債務整理の第一歩となる

債務の種類と債務整理への影響

優先債務 税金、社会保険料など。債務整理でも優先的に返済が求められる
一般債務 消費者金融やクレジットカードの債務など。債務整理の主な対象
保証債務 他人の債務の保証人となっている場合の債務。債務整理で注意が必要

債務整理の主な手法

任意整理 債権者と交渉し、返済条件の変更や債務の一部免除を求める
個人再生 裁判所の管理下で返済計画を立て、債務の一部を免除してもらう
自己破産 裁判所に申し立て、債務を免除してもらう最終手段

債務整理を検討する際の重要ポイント

  • 全ての債務を正確に把握し、総額を確認する
  • 各債務の性質(優先債務か一般債務か)を理解する
  • 債務の返済可能性を冷静に評価する
  • 債務整理が将来の信用に与える影響を考慮する
  • 専門家のアドバイスを受けて、最適な整理方法を選択する

債務についてのよくある質問

債務の存在を知らなかった場合や忘れていた場合でも、法的な支払い義務は消滅しません。ただし、債権は一定期間が経過すると時効により消滅する可能性があります(一般的な金銭債権は5年)。

また、相続した債務など、自分が知らない間に債務を負っていることもあります。債務の存在が判明した場合は、まず債務の内容を確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

返済が困難な場合の対処方法として、主に以下の選択肢があります。まず任意整理で、債権者と直接交渉して返済条件の変更や減額を試みる方法があります。

次に個人再生で、裁判所の監督のもと、収入に応じた返済計画を立てる方法があります。最後の手段として自己破産があり、裁判所の判断により債務を免除してもらうことができます。

どの方法が最適かは、債務の総額や収入状況によって異なるため、法律の専門家に相談することが推奨されます。

保証人になると、主たる債務者(借入れた本人)が返済できない場合に、保証人が代わりに返済する義務を負います。

この保証債務は、主たる債務者の支払い能力に関係なく請求される可能性があり、保証人の資産や収入から支払いを求められることがあります。

また、保証債務は相続の対象にもなるため、保証人になる際は慎重な検討が必要です。特に、無制限の連帯保証人となることは大きなリスクを伴うため、十分な注意が必要です。

債務でお悩みの方、返済に困難を感じている方は、債務の状況を正確に把握し、適切な債務整理を検討することが重要です。

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