和解調書(わかいちょうしょ)とは?

和解調書とは、裁判所において紛争の解決を訴訟として取り扱った上で、裁判上の和解が成立した際に裁判所が作成する公式文書のことを指します。

債務整理では、債権者債務者の間で和解が成立した場合に作成される重要な法的文書となります。

和解調書の基本概念

定義 裁判上の和解が成立した際に裁判所が作成する調書
作成のきっかけ 裁判長の和解勧告に応じて当事者同士が和解に合意した場合
法的効力 確定判決と同一の効力を持つ

和解調書の主な内容

和解調書には、通常以下のような情報が記載されます。

  • 和解成立の日時
  • 原告・被告(債権者・債務者)の氏名
  • 和解に至るまでの経緯
  • 具体的な和解条項
  • 裁判長及び裁判官の氏名

和解調書の法的効力

確定判決と同等 和解調書は確定判決と同一の効力を持ちます。
債務名義性 和解調書は債務名義となり、強制執行の根拠となります。
法的拘束力 当事者は和解調書の内容に法的に拘束されます。

和解調書の役割

紛争解決の公式記録 和解内容を公的に記録し、証明します。
執行力の付与 和解内容に強制力を持たせます。
再訴の防止 同一の争いについて再び訴訟を起こすことを防ぎます。

債務整理における和解調書の意義

返済条件の明確化 和解で合意した返済条件を明確に記録します。
債務者の保護 合意した条件以上の返済を求められることを防ぎます。
債権者の権利保護 合意した返済が履行されない場合の法的根拠となります。

和解調書に関する注意点

内容の確認 和解調書の内容が合意した内容と一致しているか確認が必要です。
履行の重要性 和解調書の内容は必ず履行しなければなりません。
修正の困難さ 一度作成された和解調書の内容を変更することは非常に困難です。
法的助言の重要性 和解調書の作成前に専門家の助言を受けることが望ましいです。

和解調書が作成されるまでの流れ

1.訴訟の提起 当事者の一方が訴訟を提起します。
2.和解勧告 裁判所が和解を勧告します。
3.和解交渉 当事者間で和解条件について交渉します。
4.和解の成立 両当事者が和解条件に合意します。
5.和解調書の作成 裁判所が和解調書を作成します。
6.和解調書の確認 当事者が和解調書の内容を確認します。
7.和解調書の交付 裁判所が当事者に和解調書を交付します。

和解調書についてのよくある質問

和解調書は確定判決と同じ効力を持つため、一度作成された内容を変更することは非常に困難です。

変更が必要な場合は、両当事者の合意の上で新たな訴訟を起こすか、別途の和解契約を結ぶ必要があります。

そのため、和解調書の作成前に内容を慎重に確認し、必要に応じて法律の専門家に相談することが重要です。

和解調書は債務名義となるため、支払いが守れない場合、債権者は強制執行を申し立てることができます。

ただし、事情により支払いが困難になった場合は、早めに債権者に連絡して支払い条件の変更について相談することが望ましいです。

また、生活状況が著しく悪化した場合は、個人再生や自己破産などの新たな債務整理の検討も必要になる場合があります。

和解調書を紛失した場合でも、和解が成立した裁判所に申請することで謄本を取得することができます。

謄本は原本と同じ効力を持ちます。申請の際は、本人確認書類と手数料が必要となります。

なお、和解調書は重要な法的文書ですので、原本や謄本は適切に保管しておくことが重要です。

債務整理における和解調書の作成や、裁判上の和解についてお悩みの方は、杉山事務所にご相談ください。

和解調書の重要性を理解し、その作成と内容について十分な注意を払うことで、より安定した債務整理の解決を目指すことができます。

債務整理用語集一覧に戻る

お気軽に無料相談をご利用ください。

page top