債権(さいけん)とは?
債権とは、ある者(債権者)が特定の相手方(債務者)に対して一定の行為(給付)をするように請求できる権利のことを指します。
債権の基本概念
定義 | 特定の相手方に一定の行為を請求できる権利 |
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構成要素 |
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法的根拠 | 民法第399条 |
債権の主な種類
金銭債権 | 金銭の支払いを求める権利(例:貸金、売買代金) |
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物権的請求権 | 物の引き渡しを求める権利(例:賃貸借契約における明渡し請求権) |
作為債権 | 特定の行為を求める権利(例:請負契約における仕事の完成請求権) |
不作為債権 | 特定の行為をしないことを求める権利(例:競業避止義務) |
債権の発生原因
契約 | 当事者間の合意により発生(例:売買契約、賃貸借契約) |
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事務管理 | 他人の事務を管理したことによる費用償還請求権 |
不当利得 | 法律上の原因なく利益を得た場合の返還請求権 |
不法行為 | 他人に損害を与えた場合の損害賠償請求権 |
債権の特徴
相対性 | 特定の債務者に対してのみ行使可能 |
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請求力 | 債務者に履行を求める力 |
給付の内容 | 作為・不作為・物の引渡しなど多様 |
時効 | 一定期間の経過により消滅する可能性がある |
債権の行使方法
任意履行の請求 | 債務者に対して直接履行を求める |
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強制執行 | 裁判所を通じて強制的に実現を図る |
相殺 | 反対債権がある場合に相殺する |
債権譲渡 | 第三者に債権を譲渡する |
債務整理における債権の位置づけ
債権の確定 | 債務整理開始時点での債権額の確定 |
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債権の変更 | 任意整理や個人再生における返済条件の変更 |
債権の放棄 | 自己破産における債権の一部または全部の放棄 |
債権の優先順位 | 担保権の有無などによる弁済の優先順位の決定 |
債権に関する注意点
時効管理 | 債権の消滅時効に注意が必要 |
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証拠の保管 | 債権の存在を証明する書類の適切な保管 |
債権の優先順位 | 担保権の設定などにより優先順位が変わる可能性 |
債権譲渡の制限 | 契約により債権譲渡が制限される場合がある |
債権についてのよくある質問
はい、債権は一定期間が経過すると時効により消滅する可能性があります。
一般的な債権の消滅時効期間は、債権者が権利を行使できることを知った時から5年間、または権利を行使できる時から10年間です。
ただし、商事債権は5年、賃金債権は3年など、債権の種類によって時効期間が異なります。時効の完成を防ぐためには、裁判所への訴えの提起や債務承認などの時効中断措置が必要です。
債権譲渡の通知を受けた後は、新しい債権者(譲受人)に対して支払いを行う必要があります。
通知後に以前の債権者(譲渡人)に支払いを行っても、債務の弁済としては認められず、新しい債権者に対して再度支払いを求められる可能性があります。
債権譲渡の通知を受けた場合は、必ず新しい債権者の情報を確認し、指定された支払方法に従って支払いを行うようにしましょう。
双方の債権が同種のもの(例:いずれも金銭債権)であり、いずれの債権も弁済期が到来している場合は、原則として相殺が可能です。
ただし、差押禁止債権や不法行為に基づく損害賠償債権などは、法律により相殺が制限される場合があります。
また、当事者間で相殺を禁止する特約がある場合は、その制限に従う必要があります。相殺を行う際は、相手方に対して相殺の意思表示を行うことが必要です。
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