債権者(さいけんしゃ)とは?
債権者とは、債権(特定の人に対して一定の給付を請求できる権利)を持っている人または法人のことを指します。
金銭の貸し借りの場合、お金を貸している側が債権者となります。
債権者の基本概念
定義 | 債権を有し、債務者に対して一定の給付を請求できる人または法人 |
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対義語 | 債務者(お金を借りている側) |
法的位置づけ | 債権の主体として、債務者に対して請求権を持つ |
債権者の種類
個人債権者 |
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法人債権者 |
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公的機関 |
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債権者の主な権利
履行請求権 | 債務の履行を債務者に対して請求する権利 |
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強制執行権 | 債務者が任意に履行しない場合、法的手段で強制的に債権を回収する権利 |
債権者代位権 | 債務者の権利を代わりに行使する権利 |
詐害行為取消権 | 債務者の法律行為を取り消す権利 |
債務整理における債権者の立場
任意整理 | 債務者と直接交渉し、返済条件の変更などに応じるかどうかを判断 |
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個人再生 | 裁判所の管理下で、債権の一部を放棄するよう求められる場合がある |
自己破産 | 債権の大部分または全部が回収不能となる可能性がある |
特定調停 | 調停委員の仲介のもと、債務者との間で返済条件の調整を行う |
債権者の対応義務と制限
取立て規制 | 過剰な取立行為は貸金業法などにより禁止されている |
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個人情報保護 | 債務者の個人情報を適切に管理する義務がある |
誠実交渉義務 | 債務整理の申し出があった場合、誠実に対応する義務がある |
差押え制限 | 債務者の生活必需品などには差押えができない |
債権者にとっての注意点
債権の管理 | 債権の内容や金額を正確に把握し、適切に管理する |
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時効の管理 | 債権の消滅時効に注意し、必要に応じて時効中断の手続きを取る |
担保の設定 | 可能な場合は担保を設定し、債権回収の確実性を高める |
法令遵守 | 取立てや債権回収に関する法令を遵守する |
債権者が直面しやすい問題
債務者の支払い能力低下 | 経済状況の悪化により、債務者の返済能力が低下する |
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多重債務者への対応 | 複数の債権者から借入れている債務者への対応 |
債権回収の困難 | 債務者の所在不明や資力不足による回収困難 |
法的手続きのコスト | 強制執行などの法的手続きに伴うコストと時間 |
債権者についてのよくある質問
債権者は裁判所を通じて債務者の給与を差し押さえることができますが、全額を差し押さえることはできません。
給与の差し押さえには制限があり、原則として手取り額の4分の3は差し押さえ禁止となっています。これは債務者の最低限の生活を保護するための制度です。
また、差し押さえるためには裁判所での手続きが必要となります。
債権には消滅時効があり、一般的な金銭債権の場合、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年で時効となります。
ただし、債権者が督促状の送付や裁判手続きを行うことで時効を中断することができます。なお、時効期間は債権の種類によって異なる場合があるため、具体的な状況に応じて確認が必要です。
債務整理の着手後、弁護士や認定司法書士が受任通知を債権者に送付すると、債権者からの直接の取立ては法律により禁止されます。
特に、任意整理の場合は受任通知到達後、自己破産や個人再生の場合は申立後、債権者からの取立てが止まります。
ただし、受任通知が債権者に到達するまでに数日かかる場合があるため、すぐには止まらない可能性があります。
債権者としての立場でお悩みの方、また債務整理に関連して債権者との交渉方法についてご相談がある方は、お気軽に杉山事務所にお問い合わせください。
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