任意売却(にんいばいきゃく)とは?

任意売却とは、抵当権が設定されている不動産を所有者が抵当権者(債権者)の同意のもと、第三者に売却し、その代金から債務の返済を行う方法です。

主にローンの返済が滞り、競売になる可能性がある不動産について行われる手続きです。

任意売却の基本概念

定義 所有者と債権者の合意に基づく不動産の自主的な売却
目的 競売を回避し、より有利な条件で債務を返済すること
対象 主に抵当権が設定された不動産

任意売却の流れ

1.債権者との交渉 任意売却の合意を得る
2.不動産業者の選定 売却を仲介する不動産業者を選ぶ
3.物件の査定と価格設定 適正な売却価格を決定
4.買主の募集 一般の不動産取引と同様に買主を探す
5.売買契約の締結 買主が決まれば売買契約を結ぶ
6.売却代金の配分 債権者への返済と残金の精算

任意売却のメリット

高値での売却 一般的な市場価格での売却が可能
債務の圧縮 競売よりも多くの債務返済が可能
信用への影響軽減 競売に比べて信用上のダメージが小さい
柔軟な対応 売却時期や条件について柔軟な対応が可能
プライバシーの保護 競売に比べて情報公開が限定的

任意売却のデメリット

時間がかかる 買主探しに時間を要する可能性がある
債権者の同意が必要 債権者の協力が得られない場合は実行困難
売却費用の負担 仲介手数料などの費用が発生する
残債務の可能性 売却金額が債務総額を下回る場合がある

任意売却と競売の比較

売却価格

任意売却の方が一般的に高値で売却可能

  • 競売:市場価格の6~7割程度
  • 任意売却:一般的な市場価格
手続きの柔軟性 任意売却の方が柔軟な対応が可能
信用への影響 任意売却の方が信用上のダメージが小さい
所要時間 状況により異なるが、競売の方が手続きに時間がかかる場合が多い

任意売却の注意点

債権者との交渉 円滑な交渉が重要
適正価格の設定 売却価格の適正な設定が必要
残債務への対応 売却後も債務が残る可能性がある場合の対策
税金の考慮 譲渡所得税などの税金面での影響を考慮する

債務整理における任意売却について

債務整理の一環 任意売却は債務整理の手段の一つとして活用できる
他の債務整理との併用 個人再生や任意整理と組み合わせることも可能
専門家の助言 弁護士や司法書士などの専門家のアドバイスが有効

任意売却についてのよくある質問

任意売却で得られた売却代金は住宅ローンの返済に充てられますが、売却金額が債務総額を下回る場合は残債務が発生します。

この場合、残債務については分割返済の継続や、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産など)による解決を検討する必要があります。

なお、残債務の取り扱いについては事前に債権者と交渉することが可能です。

一般的な任意売却の期間は、債権者との交渉開始から売却完了まで3~6ヶ月程度かかります。ただし、物件の状態や立地、市場環境、債権者との交渉状況などによって期間は変動します。

特に、複数の債権者が関係している場合や、買主が見つかりにくい場合は、さらに時間がかかる可能性があります。早期の売却を実現するためには、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

一般的に、任意売却の方が競売よりも20~30%程度高い価格での売却が期待できます。

これは、競売物件が市場価格の6~7割程度で取引されるのに対し、任意売却では一般的な不動産取引と同様の市場価格で売却できるためです。

また、任意売却では物件の補修や清掃を行うことで、さらに売却価格を上げることも可能です。ただし、具体的な価格差は物件の状態や市場環境によって変動します。

任意売却をお考えの方、また債務整理の方法について相談したい方は、杉山事務所にお気軽にご相談ください。

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