支払督促(しはらいとくそく)とは?

支払督促とは、債権者の申立てに基づき、裁判所書記官が債務者に対して支払いを命じる簡易な法的手続きです。

主に金銭請求に用いられ、通常の訴訟よりも迅速かつ低コストで債権回収を行うことができます。

支払督促の基本概念

定義 債権者の申立てにより裁判所書記官が発する支払命令
目的 債権の迅速かつ効率的な回収
法的根拠 民事訴訟法第382条以下

支払督促の主な特徴

申立人 債権者
発付者 裁判所書記官
審査方法 書面審査のみ(証拠調べや債務者の反論聴取なし)
対象 主に金銭請求

支払督促の手続きの流れ

申立て 債権者が裁判所に支払督促の申立てを行う
審査 裁判所書記官が申立ての内容を審査
発付 請求に理由があると認められれば支払督促を発付
送達 債務者に支払督促が送達される

支払督促後の展開

異議申立なし 2週間以内に異議申立がなければ仮執行宣言の申立て可能
異議申立あり 通常の訴訟手続きに移行
仮執行宣言 異議申立てがなければ30日以内に仮執行宣言の申立て可能
強制執行 仮執行宣言後、強制執行の申立てが可能

支払督促のメリット

  • 迅速な債権回収が可能
  • 通常の訴訟より費用が安い

支払督促のデメリット

  • 債務者の異議申立てにより通常訴訟に移行
  • 債務者不在の審査のため、後に争われる可能性がある

支払督促に関する注意点

異議申立期間 支払督促受領後2週間以内に異議申立てが可能
仮執行宣言 異議申立てがなければ30日以内に申立て可能
訴訟による争い 異議申立期間経過後も訴訟で内容を争うことは可能
専門家への相談 複雑な場合は法律の専門家に相談することが望ましい

支払督促についてのよくある質問

支払督促を受け取ってすぐに支払う必要はありません。請求内容に不服がある場合は、受け取りから2週間以内に異議申立てをすることができます。

異議申立てをすると通常の訴訟手続きに移行し、裁判所で十分に主張・立証を行うことができます。

ただし、正当な理由なく支払いを放置すると、最終的に強制執行される可能性もありますので、早めに専門家に相談することをおすすめします。

支払督促の申立費用は請求金額によって異なりますが、通常の訴訟と比べて安価です。

例えば、100万円の請求であれば申立手数料は2,000円程度です。ただし、異議申立てがあり訴訟に移行した場合は、別途通常の訴訟費用が必要となります。

また、送達費用や場合によっては弁護士費用なども考慮する必要があります。具体的な費用は請求金額や状況によって変わりますので、事前に確認することをおすすめします。

原則として、支払督促の異議申立ては2週間の期限内に行う必要があります。

ただし、住所変更などやむを得ない事情で支払督促の送達を知らなかった場合など、正当な理由があれば期限後でも異議を申し立てることができます。

また、仮執行宣言がされた後でも、債務の存在自体を争う訴訟を提起することは可能です。期限を過ぎた場合は、すぐに法律の専門家に相談し、取りうる対応を検討することが重要です。

支払督促は債権回収の有効な手段ですが、正しい理解と適切な対応が必要です。支払督促を受け取った場合や、支払督促を利用して債権回収を考えている場合は、杉山事務所にご相談ください。

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