ハードシップ免責(はーどしっぷめんせき)とは?

ハードシップ免責とは、民事再生手続において、再生計画認可後に債務者が予期せぬ困難に直面し、計画通りの返済が極めて困難になった場合に適用される特別な免責制度です。

この制度は、誠実に返済を続けてきた債務者を救済することを目的としています。

ハードシップ免責の基本概念

定義 再生計画認可後の予期せぬ困難による免責制度
適用場面 民事再生手続における再生計画遂行中
目的 誠実な債務者の救済と再生支援

ハードシップ免責の主な要件

返済状況 返済金額の4分の3以上を既に返済済みであること
債務者の帰責性 返済困難が債務者の責めに帰すことができない事情によること
返済継続の困難度 再生計画通りの返済が極めて困難であること

ハードシップ免責の効果

免責範囲 残りの支払義務が免除される
債務の消滅 免責された債務は法的に消滅する
再生手続の終結 免責により再生手続が終結する可能性がある

ハードシップ免責が認められる状況例

災害 自然災害による財産の喪失や収入の激減
健康問題 重篤な疾病や障害による就労不能
経済状況の変化 予期せぬ失業や事業の破綻

ハードシップ免責の制限

代替手段の有無 支払期間の延長等で返済継続可能な場合は適用されない
適用の厳格性 よほどの場合にしか許されない免責方法
裁判所の判断 裁判所が個別の状況を慎重に審査する

ハードシップ免責の申立て手続き

申立て先 再生手続を行った裁判所
必要書類 申立書、収支状況を示す資料、困難を証明する資料など
審査過程 裁判所による書類審査と必要に応じて審問

ハードシップ免責の注意点

適用の稀少性 極めて例外的な救済措置であり、容易には認められない
債権者への影響 債権者の利益を害する可能性があるため慎重に判断される
再申立ての制限 一度認められた場合、再度の申立ては困難

ハードシップ免責についてのよくある質問

ハードシップ免責は極めて例外的な救済措置であり、容易には認められません。

申立てには、返済金額の4分の3以上を既に返済していることに加え、予期せぬ重大な事情(重篤な疾病や自然災害など)により返済が極めて困難になったことを証明する必要があります。

また、支払期間の延長など他の方法で返済を継続できる可能性がある場合は、認められない可能性が高くなります。

ハードシップ免責を申し立てるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 再生計画に基づく返済額の4分の3以上を既に返済している
  2. 返済が困難になった原因が債務者の責任でない(例:自然災害、重病、予期せぬ失業など)
  3. 再生計画通りの返済を継続することが極めて困難である

これらの条件を証明する資料を準備し、再生手続を行った裁判所に申立てを行います。

ハードシップ免責が認められると、残りの支払義務が法的に免除され、債務は消滅します。ただし、この決定は慎重に行われ、債権者の利益も考慮されます。

また、一度ハードシップ免責が認められた場合、同じ債務について再度の申立ては事実上困難です。免責後は、新たな債務を負わないよう、慎重な生活設計が必要となります。

ハードシップ免責は、民事再生手続において極めて重要な救済措置ですが、その適用は非常に限定的です。再生計画の遂行中に予期せぬ困難に直面した場合、まずは返済計画の変更など他の選択肢を検討することが重要です。

ハードシップ免責の可能性や、債務整理に関する他の選択肢について詳しく知りたい方は、杉山事務所にご相談ください。

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