過怠約款(かたいやっかん)とは?

過怠約款とは、任意整理などで債権者債務者和解を締結する際に定められる条項のことです。

この約款は、債務者が和解で合意した返済計画を守らなかった場合に適用される遅延損害金の金額や算出方法を定めています。

過怠約款の基本概念

定義 和解条件違反時の遅延損害金に関する取り決め
主な用途 任意整理における和解契約書に記載
目的 返済不履行時の対応を明確にし、債務者の返済意欲を促す

過怠約款の主な内容

遅延損害金の利率 和解条件違反時に適用される金利
計算方法 遅延損害金の具体的な算出方法
適用条件 過怠約款が適用される具体的な状況

過怠約款の重要性

  • 和解条件違反時の対応を明確にする
  • 債務者に返済計画遵守の動機付けを与える
  • 債権者の権利保護を図る
  • 紛争予防の役割を果たす

過怠約款の一般的な内容例

遅延損害金利率 年14.6%など(法定利率や商事法定利率を参考に設定)
計算期間 支払期日の翌日から支払済みまで
適用対象 分割払いの各回の支払いに対して個別に適用

過怠約款と債務整理の関係

任意整理 和解契約の一部として過怠約款が定められることが多い
個人再生 再生計画に類似の条項が含まれることがある
自己破産 通常は関係しないが、免責不許可事由となる可能性がある

過怠約款の注意点

高金利への注意 法定利率を大幅に上回る金利設定は無効となる可能性
適用条件の確認 どのような場合に過怠約款が適用されるか把握しておく
返済計画の遵守 過怠約款適用を避けるため、返済計画を厳守する

過怠約款が適用された場合の対応

債権者との交渉 返済遅延の理由説明と今後の返済計画の提示
返済計画の見直し 現在の収入状況に合わせた新たな返済計画の検討
法的手続きの検討 返済が困難な場合、個人再生などの法的手続きを考慮

過怠約款と消費者保護

約款の有効性 消費者契約法に基づき、不当に高額な損害賠償の定めは無効
裁判所の判断 過度に厳しい過怠約款は裁判所で修正される可能性がある
債務者の権利 不当な過怠約款に対しては異議を申し立てる権利がある

過怠約款についてのよくある質問

過怠約款が適用されると、通常の返済計画よりも高い利率(年14.6%など)の遅延損害金が発生します。これは各回の支払い期日の翌日から支払済みまでの期間について計算されます。

また、場合によっては分割払いの利益を喪失し、残債務を一括で支払わなければならなくなる可能性もあります。このため、返済計画は可能な限り厳守することが重要です。

病気や失業などのやむを得ない事情で返済が困難になった場合、すぐに債権者に状況を説明し、返済計画の見直しを申し入れることが重要です。

多くの場合、債権者は債務者の状況を考慮し、返済計画の変更に応じる可能性があります。

ただし、債権者との交渉が難しい場合は、弁護士などの専門家に相談し、個人再生などの法的手続きの検討も必要になるかもしれません。

過怠約款で定められた遅延損害金の利率が著しく高い場合、消費者契約法に基づいて無効となる可能性があります。

特に法定利率を大幅に上回る金利設定については、裁判所による修正が認められることがあります。

このような場合は、弁護士に相談して約款の有効性を確認し、必要に応じて債権者との交渉や法的手続きを検討することをおすすめします。

過怠約款は、債務整理における和解条件の重要な一部です。この約款の内容を十分に理解し、返済計画を守ることが重要です。

過怠約款の内容や適用、また債務整理全般についてお悩みの方は、杉山事務所にご相談ください。

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