管財人(かんざいにん)とは?

管財人とは、破産手続きにおいて裁判所から選任される重要な役割を担う人物です。

主に、破産者の財産状況の調査や債権者への配当を行う責任を負います。通常、この役割には弁護士が選任されます。

管財人の基本概念

定義 破産手続きで裁判所から選任される法的管理者
主な役割 破産財産の管理・換価、債権者への配当
選任者 通常、弁護士が選任される

管財人の主な職務

財産調査 破産者の財産状況を詳細に調査
免責不許可事由の調査 破産者の免責を妨げる事由の有無を調査
財産の管理・換価 破産財産を適切に管理し、現金化する
債権者への配当 換価した財産を債権者に公平に分配

管財人の権限

  • 破産財産の管理処分権
  • 破産者の財産に関する情報収集権
  • 破産債権の調査・確定権
  • 否認権(不当な財産処分の取消し)の行使
  • 破産手続きに関する訴訟遂行権

管財人選任の意義

公平性の確保 中立的な第三者による手続きの遂行
専門性の活用 法律・財務の専門知識を活かした適切な処理
債権者保護 債権者の利益を守るための適切な財産管理
手続きの適正化 法令に則った破産手続きの実施

管財人の責任と義務

善管注意義務 破産財産を善良な管理者の注意をもって管理する義務
公平・中立の義務 特定の債権者を優遇せず、公平に職務を遂行する義務
報告義務 裁判所に対して定期的に業務報告を行う義務
損害賠償責任 故意・過失により破産財団に損害を与えた場合の責任

管財人と破産者の関係

財産の管理権移転 破産者の財産管理権が管財人に移転
情報提供義務 破産者は管財人に必要な情報を提供する義務がある
破産者の行為制限 破産財産に関する破産者の行為が制限される

管財人と債権者の関係

債権の調査・確定 債権者が届け出た債権の内容を調査・確定
配当の実施 換価した財産を債権者に公平に分配
情報提供 債権者集会での報告など、適切な情報提供

管財人選任のない破産手続き

同時廃止 配当の見込みがない場合、管財人を選任せずに手続きを終了
特徴
  • 手続きが簡略化される
  • 費用が抑えられる
  • 債権者への配当は行われない

管財人についてのよくある質問

管財人は、破産財産の換価・配当の見込みがある破産手続きにおいて選任されます。ただし、破産財団が小さく、配当の見込みがない場合は「同時廃止」となり、管財人は選任されません。

また、債務者の財産状況や債権者の数、事案の複雑さなども、管財人選任の判断材料となります。裁判所が個々の事案に応じて選任の要否を判断します。

破産者には管財人に対して積極的な協力義務があります。具体的には、全ての財産や債務に関する情報の提供、必要書類の提出、質問への回答、財産の所在地への立ち入り許可などが求められます。

この協力義務に違反すると、免責不許可事由となる可能性があり、債務からの免責が認められなくなる場合もあります。そのため、管財人からの要請には誠実に対応することが重要です。

管財人の報酬は、破産財団の規模、職務の複雑さ、要した時間などを考慮して、裁判所が決定します。

報酬は破産財団から支払われ、これは財団債権として扱われるため、一般の破産債権者への配当に先立って支払われます。

ただし、破産財団が不十分な場合は、予納金から支払われることもあります。報酬額は事案によって大きく異なりますが、適正な額となるよう裁判所が慎重に判断します。

管財人は破産手続きにおいて中心的な役割を果たし、破産財産の適切な管理と債権者への公平な配当を実現する重要な存在です。

破産手続きや債務整理に関してお悩みの方、また管財人の役割について詳しく知りたい方は、お気軽に杉山事務所にご相談ください。

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