異議申立【差押え】(いぎもうしたて・さしおさえ)とは?

差押えに対する異議申立とは、債権者による差押えに対して、債務者や第三者が不服を申し立てる法的手続きです。

差押えが違法である場合や、差し押さえられた財産が差押禁止財産である場合などに行われます。

異議申立の基本概念

定義 差押えの効力を争うための法的手続き
申立権者 債務者、第三者、利害関係人
申立先 差押えを行った執行裁判所

異議申立の主な理由

差押禁止財産 給与の一部や生活必需品など、法律で差押えが禁止されている財産の場合
手続きの違法性 差押手続きに法的な瑕疵がある場合
所有権の主張 差し押さえられた財産が第三者の所有物である場合
債権の消滅 すでに弁済済みや時効により債権が消滅している場合

異議申立の効果

  • 差押えの取消しや変更の可能性
  • 差押禁止財産の範囲の変更
  • 差押手続きの一時停止
  • 違法な差押えからの救済
  • 適正な執行手続きの確保

異議申立の手続き

申立書の作成 異議の理由と証拠を記載した申立書を作成
必要書類 異議申立書、疎明資料、委任状(代理人がいる場合)
提出先 執行裁判所に提出
手数料 申立手数料の納付が必要

異議申立に関する注意点

期限 速やかな申立が重要(遅延により権利が失われる可能性)
証拠の準備 異議の理由を裏付ける証拠の収集が必要
専門的知識 法的な専門知識が必要なため、専門家への相談が推奨
執行停止 異議申立だけでは執行は自動的に停止されない

差押禁止財産の例

給与 給与の一定部分(原則として手取額の4分の3まで)
生活必需品 日常生活に必要な衣服、家具、調理器具など
社会保障給付 年金、生活保護費など
職業用具 職業を継続するために必要な道具類

異議申立後の流れ

審理 裁判所による異議内容の審理
決定 異議申立に対する裁判所の判断
不服申立 決定に不服がある場合は即時抗告が可能
執行手続 決定に基づく差押えの取消しや変更

差押えに対する異議申立についてのよくある質問

給与は差押禁止財産として保護されており、原則として手取額の4分の3までは差押えから守られています。

既に差押えを受けている場合でも、生活状況によっては差押禁止範囲の変更を求める異議申立が可能です。

例えば、扶養家族が多い場合や医療費などの特別な出費がある場合は、差押禁止範囲の拡張を申し立てることができます。

ただし、申立には適切な理由と証拠が必要となるため、専門家への相談をおすすめします。

異議申立を行っただけでは、自動的に差押えの執行は停止されません。執行を止めるためには、別途「執行停止の申立て」を行う必要があります。

ただし、執行停止が認められるためには、差押えの続行により回復困難な損害が生じる可能性があることなど、停止を必要とする具体的な理由を示す必要があります。

執行停止を求める場合は、異議申立と同時に申し立てることが一般的です。

自分の所有物が他人の債務により差し押さえられた場合は、第三者異議の訴えを提起することができます。この場合、差押えられた物件の所有権が自分にあることを証明する必要があります。

例えば、購入時の領収書や登記簿謄本、使用貸借契約書などの所有権を証明する書類が重要な証拠となります。

ただし、手続きが専門的なため、できるだけ早く弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

差押えに対する異議申立は、違法な差押えや過度な差押えから債務者を守るための重要な制度です。

しかし、手続きが複雑で専門的な知識が必要となるため、差押えを受けた場合は早めに専門家に相談することをおすすめします。差押えに関する問題でお悩みの方は、杉山事務所にご相談ください。

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