アドオン返済(あどおんへんさい)とは?

アドオン返済とは、借入金の返済方法の一つで、元本に予め金利分を上乗せし、それを返済回数で分割する方式のことを指します。「アドオン」は英語の「add on(付け加える)」が語源となっています。

アドオン返済の基本概念

定義 元本に予め金利分を上乗せし、それを返済回数で分割する返済方式
特徴 毎回の返済額が一定で、計算が簡単
注意点 表面上の金利と実質的な金利に大きな差がある

アドオン返済の仕組み

  • 元本に対して、借入期間全体の利息を一括で計算
  • 計算した利息を元本に加算
  • 合計額を返済回数で割って、毎回の返済額を決定

アドオン返済の計算例

例:10万円をアドオン金利15%で10回返済する場合

元本 100,000円
金利 100,000円 × 15% = 15,000円
総返済額 100,000円 + 15,000円 = 115,000円
毎月の返済額 115,000円 ÷ 10回 = 11,500円

この場合、毎月11,500円を10回支払うことになります。

アドオン返済と実質金利

アドオン返済方式では、表面上の金利と実質的な金利に大きな差が生じます。上記の例では、表面上の金利が年15%、実質金利が年31.6%となっています。

実質金利が大幅に高くなる理由は、元本が徐々に減少していくにもかかわらず、毎回同じ金利分を支払うためです。

アドオン返済のメリットとデメリット

メリット

  • 計算が簡単
  • 毎回の返済額が一定で分かりやすい

デメリット

  • 実質金利が表面上の金利よりも高くなる
  • 途中で繰り上げ返済した場合の利息の取り扱いが複雑

アドオン返済の債務整理について

アドオン返済方式を採用しているローンで債務問題が発生した場合

実質金利の確認 アドオン金利と実質金利の差を認識することが重要
利息制限法との関係 実質金利が利息制限法の上限を超えていないか確認
返済計画の見直し 実質的な負担を考慮した返済計画の立案が必要

アドオン返済に関する注意点

実質金利の理解 表面上の金利だけでなく、実質的な金利負担を理解することが重要
契約内容の確認 ローン契約時にアドオン返済方式であることを確認
繰り上げ返済時の注意 途中償還時の利息計算方法を事前に確認

アドオン返済に関するよくある質問

アドオン返済は、借入時に元本と全期間分の利息を合計し、それを返済回数で割って毎回の返済額を決定する方式です。

一方、通常の返済方式(元利均等返済など)では、残高に応じて利息が計算されるため、返済が進むにつれて利息分が減少していきます。

そのため、アドオン返済は実質的な金利負担が高くなる特徴があります。例えば、表面金利が15%の場合、実質金利は30%以上になることもあります。

アドオン返済での繰り上げ返済は、通常の返済方式より複雑になります。なぜなら、すでに全期間分の利息が元本に上乗せされているためです。

繰り上げ返済を行う場合は、①残りの返済期間分の利息がどのように計算され直すのか、②返還される利息がいくらになるのか、③手数料が発生するかどうかを事前に確認することが重要です。

契約書や返済規定をよく確認し、不明な点は金融機関に確認することをおすすめします。

アドオン返済の実質金利が利息制限法の上限(貸付金額に応じて年15〜20%)を超えている場合、超過分の利息は無効となり、返還請求が可能です。

このような場合は、①過払い金の計算を専門家に依頼する、②金融機関に対して利息の引き下げを申し入れる、③必要に応じて債務整理の手続きを検討する、といった対応が考えられます。

具体的な対応方法については、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

アドオン返済の仕組みを正しく理解し、適切な対応を取ることで、より効果的な債務問題の解決を目指すことができます。

アドオン返済方式のローンでお悩みの方、また債務整理を検討されている方は、杉山事務所にご相談ください。

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