一本化(いっぽんか)とは?
一本化とは、多重債務の解決方法の一つで、多重債務者が銀行等から低金利で融資を受け、その資金で他の債権者への借金を完済することにより、借金を一つの金融機関にまとめる方法です。
例として「おまとめローン」などがあります。
一本化の基本概念
定義 | 複数の債務を一つの金融機関への債務にまとめること |
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目的 | 金利の低減と返済管理の簡素化 |
手段 | 低金利の融資を利用して高金利の債務を返済 |
一本化の流れ
新規融資の申込 | 低金利の融資を銀行等に申し込む |
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審査と融資実行 | 審査を通過後、融資が実行される |
既存債務の返済 | 融資された資金で他の債権者への借金を完済 |
一本化の完了 | すべての債務が新しい融資に集約される |
一本化のメリット
金利負担の軽減 | 高金利の債務を低金利の融資に置き換えることで、総支払い利息を削減 |
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返済管理の簡素化 | 複数の返済先が一つになり、管理が容易になる |
心理的負担の軽減 | 債権者数の減少により、精神的なストレスが軽減される可能性 |
信用回復の可能性 | 返済の一元化により、計画的な返済が容易になる |
一本化のデメリット・リスク
借金総額の増加 | 手数料や保証料などにより、かえって借金総額が増える可能性 |
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担保設定のリスク | 融資の条件として担保を求められる場合がある |
返済期間の長期化 | 返済負担を軽減するために返済期間が長くなる可能性 |
新規借入れの困難 | 一本化後に追加の借入れが難しくなる場合がある |
一本化に適した状況
- 複数の高金利債務がある場合
- 安定した収入があり、返済能力がある程度見込める場合
- 債務整理の前段階として、まず負担軽減を図りたい場合
一本化と他の債務整理手法との比較
任意整理 | 一本化は債務額自体を減らすわけではないが、任意整理では減額交渉が可能 |
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個人再生 | 一本化は裁判所の関与なしで行えるが、個人再生は法的手続きが必要 |
自己破産 | 一本化は債務を継続して返済するが、自己破産では債務が免除される可能性がある |
一本化を検討する際の注意点
総支払額の試算 | 金利だけでなく、手数料や保証料も含めた総支払額を確認 |
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返済計画の立案 | 無理のない返済計画を立てること |
契約内容の確認 | 金利変動の可能性や中途解約時の条件などを確認 |
専門家への相談 | 財務アドバイザーや法律専門家に相談することを検討 |
一本化後の生活設計
収支管理 | 確実に返済できるよう、収支の管理を徹底する |
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貯蓄の習慣化 | 可能な限り貯蓄を行い、不測の事態に備える |
借金の再発防止 | クレジットカードの使用制限など、新たな借金を作らない工夫をする |
一本化に関するよくある質問
一本化の審査に通りやすい条件としては、安定した収入があること、返済に遅れがないこと、年収に対して借入総額が過大でないことなどが挙げられます。
具体的には、正社員として継続的に勤務している方や、年収の3分の1程度の返済額である方は比較的審査が通りやすい傾向にあります。
ただし、金融機関によって審査基準は異なりますので、複数の金融機関に相談することをおすすめします。
一本化後の追加借入れは、基本的に難しくなる場合が多いです。これは、すでに一定額の借入れがある状態で、さらに借入れを増やすことは返済能力の面でリスクが高いと判断されるためです。
また、一本化の目的は債務の整理と返済負担の軽減にあるため、新たな借入れは避けることが望ましいです。もし追加の資金が必要な場合は、支出の見直しや収入を増やす方法を検討することをおすすめします。
適切な選択は個々の状況により異なります。一本化は、返済能力があり、かつ金利負担の軽減を主な目的とする場合に適しています。一方、任意整理は返済が困難で債務額自体の減額が必要な場合に検討される方法です。
例えば、収入に対して返済額が大きすぎる場合や、今後の収入減少が見込まれる場合は任意整理が適している可能性があります。正しい判断のために、まずは専門家に相談することをおすすめします。
一本化を検討されている方や、多重債務でお悩みの方は、お気軽に杉山事務所にご相談ください。
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