公正証書(こうせいしょうしょ)とは?

公正証書とは、公証人が事実や権利関係等を証明するために作成する公的文書です。

債務整理では、借金の契約や返済計画の合意など、重要な法律行為を公的に証明する役割を果たします。

特に執行受諾文言付きの公正証書は、裁判の判決と同等の効力を持ち、債務者の返済が滞った場合に債権者が迅速に法的措置を取ることを可能にします。

公正証書の基本概念

定義 公証人が作成する公的証明力を持つ文書
作成場所 公証役場
法的根拠 公証人法に基づいて作成される

公正証書の主な種類

契約公正証書 債務契約、和解契約などの合意内容を証明
遺言公正証書 遺言の内容を公的に証明
事実実験公正証書 特定の事実の存在を公的に証明
執行受諾文言付公正証書 債務者が強制執行を受諾する旨を記載した証書

債務整理における公正証書の役割

債務の明確化 債務の存在と内容を明確に証明
返済計画の合意 債権者と債務者間の返済計画を公的に証明
法的強制力の付与 執行受諾文言付きの場合、強制執行が可能に
紛争予防 合意内容を明確化し、将来の紛争を防止

執行受諾文言付公正証書の特徴

定義 債務者が強制執行を受け入れる旨を記載した公正証書
効力 裁判所の判決と同等の法的強制力を持つ
執行手続き 債務不履行時、裁判なしで強制執行が可能
対象 給与の差し押さえ、財産の差し押さえなど

公正証書作成の流れ

  • 公証役場への事前相談
  • 必要書類の準備(本人確認書類、関連契約書など)
  • 公証人との面談と内容確認
  • 公正証書の作成と署名・押印
  • 公正証書の交付

公正証書利用のメリット

証明力の高さ 公的機関が作成するため、高い証明力を持つ
紛争予防効果 合意内容が明確化され、将来の紛争を防ぐ
執行力の付与 執行受諾文言付きの場合、迅速な法的措置が可能
長期保存 公証役場で長期間保管されるため、紛失のリスクが低い

公正証書利用の注意点

費用 作成に際して公証手数料が必要
内容の理解 記載内容を十分に理解してから作成する必要がある
強制執行のリスク 執行受諾文言付きの場合、債務不履行時に迅速な強制執行の対象となる
変更の困難さ 一度作成した公正証書の内容変更は容易ではない

公正証書についてのよくある質問

公正証書の作成費用は、証書の種類や内容によって異なります。基本的な手数料は法令で定められており、契約金額に応じた手数料のほか、正本・謄本の作成費用、証書の枚数に応じた費用などがかかります。

例えば、債務承認の公正証書の場合、100万円の債務では基本手数料が11,000円程度、これに正本作成費用などが加算されます。具体的な費用は、事前に公証役場に確認することをおすすめします。

執行受諾文言付公正証書があっても、返済を継続している限り給与差し押さえなどの強制執行は行われません。強制執行は、約束した返済が行われない場合(債務不履行)に初めて可能となります。

ただし、債務不履行となった場合は、裁判所での審理を経ることなく、直ちに強制執行の手続きが開始される可能性があります。このため、返済計画は慎重に検討し、確実に履行できる内容にすることが重要です。

公正証書作成には、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)が必須です。その他、証書の種類に応じて、契約書や関係書類、印鑑証明書などが必要となります。

手続きの流れは、①公証役場への事前相談、②必要書類の準備、③公証人との面談・内容確認、④証書の作成・署名押印、⑤証書の交付となります。

所要時間は内容により異なりますが、通常1〜2時間程度です。事前に公証役場に連絡し、必要書類や手続きの詳細を確認することをおすすめします。

債務整理の過程で公正証書の作成を検討されている方や、公正証書に関してお悩みの方は、杉山事務所にご相談ください。公正証書の適切な利用方法や注意点について、専門的なアドバイスを提供いたします。

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