再生計画案(さいせいけいかくあん)とは?
再生計画案とは、民事再生手続きにおいて、債務者が作成し裁判所に提出する重要な書面です。
この計画案には、減額された借金をどのように返済していくか、また債権者の権利をどのように変更するかが記載されています。
債権者集会での可決と裁判所の認可を経て、この計画案に基づいて債務の返済が進められることになります。
再生計画案の基本概念
定義 | 民事再生における債務返済と債権者権利変更の計画書 |
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作成者 | 再生債務者(債務者) |
提出先 | 裁判所 |
効力発生条件 | 債権者集会での可決と裁判所の認可 |
再生計画案の主な内容
債権の減免 | 各債権の減額の程度や方法 |
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返済計画 | 返済額、返済期間、返済方法の詳細 |
権利変更 | 債権者の権利変更の内容と範囲 |
事業継続計画 | 事業再生のための具体的な計画(事業者の場合) |
再生計画案作成のポイント
- 債務者の収入や財産状況を正確に反映すること
- 債権者間の公平性を確保すること
- 実現可能性の高い計画を立てること
- 法律で定められた要件を満たすこと
- 債権者の理解を得られる内容にすること
再生計画案の効果
債務の再構築 | 債務内容が計画に基づいて変更される |
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返済の明確化 | 今後の返済計画が明確になる |
法的拘束力 | 認可後は債権者も計画に拘束される |
再生の道筋 | 債務者の経済的再生への道筋が示される |
再生計画案の手続き流れ
計画案作成 | 債務者が再生委員等の助言を得て作成 |
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裁判所への提出 | 作成した計画案を裁判所に提出 |
債権者への送付 | 計画案の写しを債権者に送付 |
債権者集会 | 債権者集会で計画案について議決 |
裁判所の認可 | 可決された計画案を裁判所が認可 |
再生計画案作成時の注意点
- 返済能力を超える計画は避ける
- 債権者間で不当な差別をしない
- 将来の収入見込みは慎重に見積もる
- 専門家のアドバイスを積極的に取り入れる
- 計画の実行可能性を十分に検討する
再生計画案と他の債務整理との比較
任意整理 | 法的拘束力がなく、債権者との個別交渉が必要 |
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個人再生 | 小規模個人再生では標準的な計画案が用意されている |
破産 | 原則として債務が免除され、返済計画は不要 |
再生計画案の変更と廃止
計画案の変更 | 状況の変化に応じて計画案の変更が可能 |
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廃止の申立て | 計画の遂行が困難な場合、廃止の申立てが可能 |
監督期間 | 計画遂行を確実にするため監督期間が設けられることも |
再生計画案についてのよくある質問
再生計画案は債務者が作成することになっていますが、実際には弁護士や再生委員などの専門家のサポートを受けながら作成するのが一般的です。
計画案には法律で定められた要件があり、また債権者の同意を得られる内容にする必要があるため、専門家の助言を得ることが推奨されます。
特に収入や返済能力の分析、債権者間の公平性の確保などは、専門家のアドバイスが不可欠です。
再生計画案は、認可後であっても状況の変化に応じて変更することが可能です。ただし、変更には改めて債権者集会での可決と裁判所の認可が必要となります。
例えば、収入が大幅に減少した場合や、予期せぬ支出が必要になった場合などに、返済計画の変更を申し立てることができます。
ただし、安易な変更は認められないため、変更の必要性と合理性を十分に説明できることが重要です。
再生計画案が債権者集会で否決された場合、原則として民事再生手続きは廃止となります。
ただし、否決の理由が明確で、計画案の修正により債権者の同意を得られる見込みがある場合は、修正した計画案を再度提出することも可能です。
修正が難しい場合は、破産手続きへの移行を検討するか、任意整理など別の債務整理方法を選択することになります。
このような事態を避けるため、事前に債権者との調整を十分に行うことが重要です。
再生計画案は民事再生手続きの核心部分であり、その作成には高度な専門知識と経験が必要です。再生計画案の作成や民事再生手続き全般について不安や疑問がある場合は、杉山事務所にご相談ください。
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