内入弁済(うちいれべんさい)とは?

内入弁済とは、債務の一部を返済することを指す用語ですが、文脈によって2つの異なる意味で使用されます。

1つは債権者による救済措置としての側面、もう1つは債務者による任意の繰り上げ返済としての側面です。

内入弁済の基本概念

定義 債務の一部を返済すること
法的根拠 民法第491条(弁済の充当)
特徴 全額返済に至らない部分的な返済

債権者による救済措置としての内入弁済

目的 債務者の返済負担軽減と債権回収の促進
仕組み
  • 返済額を優先的に元金に充当
  • 元金完済後、未払い利息および損害金に充当
効果
  • 元金の早期減少
  • 債務者の返済意欲向上
特別措置 場合によっては元本支払い後の未払い利息および損害金の免除も

債務者による任意の繰り上げ返済としての内入弁済

定義 約定弁済とは別に、任意でまとまった額を繰り上げて返済すること
特徴
  • 残額全額ではなく一部を繰り上げ返済
  • 債務者の任意による返済
目的 債務の早期返済や利息負担の軽減

内入弁済の法的背景

民法第491条 原則として、返済金はまず利息に充当し、次いで元本に充当
例外 当事者間の合意により充当順序を変更可能

内入弁済の影響

債務者にとって
  • 債務残高の早期減少
  • 総支払利息の削減可能性
債権者にとって
  • 予定していた利息収入の減少
  • 一部の業者は内入手数料を要求する場合あり

内入弁済に関する注意点

契約内容の確認 繰り上げ返済に関する規定を確認
手数料の有無 内入弁済に伴う手数料の有無を確認
税金への影響 住宅ローンの場合、税額控除に影響する可能性
債権者との交渉 内入弁済の条件について事前に相談

債務整理における内入弁済について

任意整理 内入弁済を活用した返済計画の立案
個人再生 再生計画における返済方法の一つとして検討可能
自己破産 破産手続開始前の返済状況の説明材料となる可能性

内入弁済の活用方法

計画的な繰り上げ返済 定期的に小額の内入弁済を行う
ボーナス時の返済 賞与などを利用した大口の内入弁済
複数債務の管理 高金利の債務から優先的に内入弁済を行う

内入弁済についてのよくある質問

内入弁済を行う場合は、原則として事前に債権者へ連絡することをおすすめします。これには主に2つの理由があります。1つ目は、金融機関によっては内入弁済に手数料が発生する場合があるため、事前に確認が必要です。

2つ目は、債権者側で返済金の充当順序(元金優先か利息優先か)について特別な取り決めがある可能性があるためです。事前連絡により、スムーズな手続きが可能となります。

民法の原則では、返済金は利息から先に充当され、その後に元金に充当されることになっています(民法第491条)。

ただし、債権者との合意により、元金優先での充当も可能です。特に債権者による救済措置として行われる内入弁済の場合は、債務者の負担軽減のため、返済額を優先的に元金に充当することがあります。

充当順序は契約内容や債権者との交渉により決まるため、事前に確認することが重要です。

住宅ローンの内入弁済は、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)に影響を与える可能性があります。内入弁済により借入金残高が減少すると、その年の控除額が減少する場合があります。

また、完済時期が早まることで、控除を受けられる期間が短くなる可能性もあります。税務上の影響については、税理士や金融機関に相談することをおすすめします。

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