給与の差押え(きゅうよのさしおさえ)とは?
給与の差押えとは、債権者が債務名義(判決等)に基づいて裁判所に強制執行を申し立て、債務者の給与債権の一部を差し押さえる法的手続きです。
債務整理では、債務者が返済を滞った場合に債権者が取る最終的な手段の一つとして重要な意味を持ちます。
給与の差押えの基本概念
定義 |
債務者の給与債権を強制的に差し押さえる法的手続き |
目的 |
債権回収の強制執行 |
根拠法 |
民事執行法 |
給与差押えの対象となる金額
給与額44万円以下の場合 |
給与額の4分の1まで |
給与額44万円超の場合 |
33万円を超える部分の全額 |
計算の基準 |
税金・社会保険料等を控除した後の金額 |
養育費の場合 |
給与額の2分の1まで |
給与差押えの手続き
1. 債務名義の取得 |
判決等の債務名義を取得する |
2. 強制執行の申立て |
裁判所に給与債権の差押えを申し立てる |
3. 差押命令 |
裁判所が差押命令を発する |
4. 第三債務者への通知 |
雇用主(第三債務者)に差押命令が通知される |
5. 給与の支払い |
雇用主が差押え対象額を債権者に支払う |
給与差押えの影響
- 債務者の手取り収入が減少する
- 雇用主に債務状況が知られる
- 他の債権者も差押えに参加する可能性がある
- 長期間継続する可能性がある
給与差押えへの対応策
任意整理 |
債権者と交渉し、差押えを回避または解除する |
個人再生 |
再生手続開始により差押えが停止される |
自己破産 |
破産手続開始により差押えが停止される |
異議申立 |
差押えが違法な場合、裁判所に異議を申し立てる |
給与差押えの制限
差押禁止財産 |
生活に必要不可欠な最低限の給与は差押え不可 |
差押え限度額 |
法律で定められた限度額を超えて差押えることはできない |
複数債権者の場合 |
先に差押えを行った債権者が優先される |
差押禁止期間 |
給与支給日の前日から起算して10日前までは差押え不可 |
給与差押えを回避するためのポイント
早期の債務整理 |
債務が膨らむ前に適切な債務整理を行う |
債権者との交渉 |
支払計画の提案など、積極的に債権者と交渉する |
法的手続きの検討 |
個人再生や自己破産など、法的手続きの利用を検討する |
専門家への相談 |
弁護士や司法書士に早めに相談し、適切な対応を取る |
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